第17節 富山×J-22 マッチレポート■攻撃の新布陣不発。若き俊英が立ちはだかる
- 2015/06/22
- 10:42
【第17節 富山0―0J-22 ▽得点者:なし】
拮抗したゲームだった。ともに好機で得点を奪い切れずスコアレスドローに終わった。今回のJリーグ・アンダー22選抜(J-22)はセンターバックの奈良竜樹(F東京)と三浦弦太(清水)を中心に弱点の守りが安定し、前回の対戦ではカターレに圧倒された球際の戦いでも互角に踏ん張った。今季2度目の無失点はパフォーマンスに見合った結果だ。今回招集された16人の今後にエールを送りたい。
岸野靖之監督は最下位に沈むJ-22の失点の多さの理由として「責任感のなさ」と挙げていた。事実、5月10日・第11節のカターレ戦でもミスの後にプレーを緩めて失点を防げなかった淡泊な場面があった。しかし、今回は違った。札幌で守備の柱だった奈良がキャプテンマークをつけて奮闘し仲間を鼓舞。後半8分のカターレの好機でMF木本敬介のシュートをスライディングでブロックしたシーンが象徴的だったが、それ以外にもピンチの芽を摘むための体を張ったプレーが随所にあった。今季J1で7試合先発を経験している三浦もカターレの攻撃陣に突破を許さない。引っ張られるかのように全員がアグレッシブにプレーし、前線からの守備に連動性があり、球際もしっかり。チームに緊張感と一体感があった。
それでも得点を奪い、勝ち切る地力をカターレに期待していた。12試合ぶり先発のMF大山俊輔が右サイドに入り、攻撃時にFW北井佑季とFW苔口卓也が縦関係になる前線4人の組み合わせは新潟との練習試合で3得点を挙げていた。紅白戦を見た印象では流動性も高く、可能性を感じる布陣だった。しかし、「攻めが遅くなった。もっとスピードやテンポを上げたかった」(木本)、「ノッキングする場面が多かった」(大山)と振り返るように当初イメージしていたような攻めは少なかったようだ。攻撃機会は十分にあり、押し気味の時間帯もあったがシュートやラストパスに持ち込む前にボールを失うことが多かった。
今回はパスを回しながら崩す攻めを中心に据えたが、問題があったのはコンビネーションだけではないだろう。中央か外か、手前でつなぐか裏を狙うかという判断の柔軟性や、ミスを恐れずにチャレンジする大胆さも攻撃には必要。無得点は現状の力を反映しており、まだまだ高めなければいけない余地が多く残されている。
前半はJ-22のほうがゴールに迫るシーンが多かった。21分にカウンターから富山第一高出身のFW西村拓真(仙台)が狙うがシュートは枠外へ。26分には右からのクロスがゴール前を横切った。27分にはゴール正面のFKからMF井手口陽介が直接狙い、スリッピーなピッチ状態も生かしたグラウンダーのシュートが右ポストを直撃した。
後半は富山がサイドを経由した縦に速い攻めで好機をつくった。同8分に右からつないで木本がシュートを放つ。同24分には同じようなかたちで最後はFW中西倫也がGKと1対1になったが決め切れない。ラストプレーのCKではGK江角浩司も攻撃に参加したが得点は生まれなかった。
カターレはこれで5戦勝ちなし(3分2敗)となり、多くのサポーターが試合後も残ってクラブ側に今後の方針を問いただした。4年半にわたり務めた安間貴義監督から岸野監督にバトンタッチして約半年、チームづくりは途上にある。その過程は手順を踏んだもので今後も右肩上がりで力はつけていくだろう。J2時代はサポーターもそれを我慢強く待った。しかし、J3に陥落し、J2復帰という絶対的な目標が掲げられて状況は変わった。上位との差が広がり、クラブ発足後、初めて経験する難しい局面を迎えている。しかし、あきらめるのはまだ早い。今節も2位の長野が敗れ、3位の町田が引き分けたように、自身が勝点を伸ばしさえすれば挽回の可能性は残っている。次節の首位・山口戦を反攻へのターニングポイントにしなければならない。
拮抗したゲームだった。ともに好機で得点を奪い切れずスコアレスドローに終わった。今回のJリーグ・アンダー22選抜(J-22)はセンターバックの奈良竜樹(F東京)と三浦弦太(清水)を中心に弱点の守りが安定し、前回の対戦ではカターレに圧倒された球際の戦いでも互角に踏ん張った。今季2度目の無失点はパフォーマンスに見合った結果だ。今回招集された16人の今後にエールを送りたい。
岸野靖之監督は最下位に沈むJ-22の失点の多さの理由として「責任感のなさ」と挙げていた。事実、5月10日・第11節のカターレ戦でもミスの後にプレーを緩めて失点を防げなかった淡泊な場面があった。しかし、今回は違った。札幌で守備の柱だった奈良がキャプテンマークをつけて奮闘し仲間を鼓舞。後半8分のカターレの好機でMF木本敬介のシュートをスライディングでブロックしたシーンが象徴的だったが、それ以外にもピンチの芽を摘むための体を張ったプレーが随所にあった。今季J1で7試合先発を経験している三浦もカターレの攻撃陣に突破を許さない。引っ張られるかのように全員がアグレッシブにプレーし、前線からの守備に連動性があり、球際もしっかり。チームに緊張感と一体感があった。
それでも得点を奪い、勝ち切る地力をカターレに期待していた。12試合ぶり先発のMF大山俊輔が右サイドに入り、攻撃時にFW北井佑季とFW苔口卓也が縦関係になる前線4人の組み合わせは新潟との練習試合で3得点を挙げていた。紅白戦を見た印象では流動性も高く、可能性を感じる布陣だった。しかし、「攻めが遅くなった。もっとスピードやテンポを上げたかった」(木本)、「ノッキングする場面が多かった」(大山)と振り返るように当初イメージしていたような攻めは少なかったようだ。攻撃機会は十分にあり、押し気味の時間帯もあったがシュートやラストパスに持ち込む前にボールを失うことが多かった。
今回はパスを回しながら崩す攻めを中心に据えたが、問題があったのはコンビネーションだけではないだろう。中央か外か、手前でつなぐか裏を狙うかという判断の柔軟性や、ミスを恐れずにチャレンジする大胆さも攻撃には必要。無得点は現状の力を反映しており、まだまだ高めなければいけない余地が多く残されている。
前半はJ-22のほうがゴールに迫るシーンが多かった。21分にカウンターから富山第一高出身のFW西村拓真(仙台)が狙うがシュートは枠外へ。26分には右からのクロスがゴール前を横切った。27分にはゴール正面のFKからMF井手口陽介が直接狙い、スリッピーなピッチ状態も生かしたグラウンダーのシュートが右ポストを直撃した。
後半は富山がサイドを経由した縦に速い攻めで好機をつくった。同8分に右からつないで木本がシュートを放つ。同24分には同じようなかたちで最後はFW中西倫也がGKと1対1になったが決め切れない。ラストプレーのCKではGK江角浩司も攻撃に参加したが得点は生まれなかった。
カターレはこれで5戦勝ちなし(3分2敗)となり、多くのサポーターが試合後も残ってクラブ側に今後の方針を問いただした。4年半にわたり務めた安間貴義監督から岸野監督にバトンタッチして約半年、チームづくりは途上にある。その過程は手順を踏んだもので今後も右肩上がりで力はつけていくだろう。J2時代はサポーターもそれを我慢強く待った。しかし、J3に陥落し、J2復帰という絶対的な目標が掲げられて状況は変わった。上位との差が広がり、クラブ発足後、初めて経験する難しい局面を迎えている。しかし、あきらめるのはまだ早い。今節も2位の長野が敗れ、3位の町田が引き分けたように、自身が勝点を伸ばしさえすれば挽回の可能性は残っている。次節の首位・山口戦を反攻へのターニングポイントにしなければならない。
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- テーマ:Jリーグ
- ジャンル:スポーツ
- カテゴリ:第17節△0-0J-22