カターレ通信2023

　14日に行われたJ３第16節でカターレは試合がありませんでした。この機会を利用してJ２第18節の金沢×大分戦を取材しようと思い、石川県西部緑地公園陸上競技場まで足を運びました。
　金沢は初めてのJ２で快進撃をみせており、J１昇格もうかがえる３位につけています。クラブはJ１クラブライセンスを取得するため、条件になっている優先的に使用できる練習グラウンドの確保とクラブハウスの建設を目指して11日に金沢市へ要望書を提出したばかりです。この日はJリーグから村井満チェアマンがスタジアムに視察に訪れ、山野之義金沢市長との懇談が報道陣に公開され、その後に囲み取材も行われました。
　村井チェアマンは約１年前のJ３開幕当初に視察した当時と比較し、「多くのサポーターが来場（この日は今季２番目に多い6247人）し、応援の様子や会場への出店数増をみても地域に浸透してきているのを感じた」。山野市長は「（勝つことが観客増などにつながっているとは思うが）普段から少年への指導などクラブとして取り組んできたことがJ２昇格によって花開いたと捉えている」と話しました。

　囲み取材ではライセンス取得についての質問が投げかけられ、村井チェアマンは「Jリーグの百年構想は短期では実現できない。J１に昇格することを目標にしてはいけない。J１に昇格するということはACLなどを目指し世界と戦うことであり覚悟がいる。いろんな面でJ１基準を求めていくので焦らずに整備を進めてほしい」と語りました。山野市長は「（グラウンド整備などについて）行政の手続きとしてクリアすべきハードルは何か、どうすればクリアできるか研究しているところ」と話し、クラブ側の要望の実現に前向きな姿勢がうかがえました。

　試合後の会見で金沢の森下仁之監督は「今季の目標は残留であり、J１ライセンス取得はクラブ側も考えていなかったのではないか。（チームの好成績によって）長期的な目標への取り組みが早まっている。しかし経営の苦しいクラブはJ１に昇格してもまた降格する。チーム力とクラブの経営（の力）がともに上がっていかなければならない。選手のために動いてくれるのはよいこと。残留を決めたうえで、ライセンスを取得できているかどうかは次の目標に移行する際には関わってくる」と話しました。

　目標がJ１かJ２かの違いはありますが、カターレも昇格を目指して戦っています。「なぜ昇格を目指すのか」。そもそものところに立ち返って考えを巡らせる良い機会になったので印象に残った発言を紹介しました。