第32節 富山×長野 マッチレポート■オレンジの意地に屈し昇格消える
- 2017/11/20
- 12:52
【第32節 富山1―2長野 ▽得点者:前半36分・佐藤(富)、後半19分・西口(長)、同45+1分・勝又(長)】
※ハイライト映像あり(J公式サイト)
意地をみせたのは長野だった。退場者を出しながら10人で体を張って守り、逆転勝ちを呼び込んだ。終了間際に決勝点をボレーで蹴り込んだFW勝又慶典はこれが開幕戦以来となる今季2点目だった。
富山まで足を運び冷たい雨の中で声援を送り続けたサポーターにとっては最高のプレゼントだっただろう。悲願とする昇格を逃した痛みは残っても、このゲームに立ち会えたことは今季の良い思い出になるはずだ。選手、サポーターが一丸となり敗れてもなお立ち上がる。長野のクラブとしてのエネルギーを感じた一戦だった。
カターレの出来が悪くなかったことは記しておかなければならない。前節後の2週間はチームを立て直すために、特に攻守の切り替えを意識してトレーニングを積んできた。序盤からその成果がはっきりと表れていた。調子を上げていた長野のパスワークを寸断し、相手コートでボールを奪う場面が何度もあった。
FW佐々木一輝をツートップの一角に起用し、MF國吉貴博を左サイドハーフに上げた布陣も可能性を感じさせた。2人とMF佐々木陽次が流動的に動き回り、中央とサイドを効果的に使い分けながらチャンスをつくった。前半36分にFKでのサインプレーからDF佐藤和樹が鮮やかなミドルシュートを決めて先制点も挙がり、流れはつかんでいた。
長野は前半終了間際に得た右CKのポジション争いでFW萬代宏樹がレッドカードをもらい退場になった。判定に驚き膝を落とした彼を気の毒に思ったが、この出来事がドラマチックな展開の引き金となった。
後半、長野は[4-4-1]のフォーメーションで守りを固める。攻撃時はサイドハーフの1人がトップに位置する[4-3-2]で同点を狙った。「10人になったことで戦い方がはっきりした、というのはある。後半に入る時に『我慢していこう』というのは話していて、チャンスがあるとすればカウンターやセットプレーだと思っていた」とMF東浩史は話す。
後半16分に勝又が投入されると長野のカウンターアタックに鋭さが増し、長野の堅守速攻がはまる。同19分に右からのFKをDF西口諒が頭で決めて追い付いた。カターレはGK永井堅梧がキックをパンチングしようとしたがわずかに届かず防げなかった。
カターレは後半の立ち上がりに追加点のチャンスがあり、同10分にCKの流れからこぼれ球をDF登崎雅貴がシュートして枠を捉えたが長野GK阿部伸行が横っ飛びでセーブ。しかし同点にされてからは引いて守りを固める相手を攻めあぐねるようになった。同28分に佐々木陽が守備ブロック中央の狭いスペースで縦パスを受けてシュートを放つが上に外れる。次第に攻撃パターンが左からのクロスに偏り、ボールを保持しながらも勝ち越し点が挙がらないまま時間が進んだ。
勝又の決勝点はアディショナルタイムに入ってから生まれた。カターレのクロスを拾って攻撃に転じて勝又が右から運ぶ。クロスのこぼれ球を逆サイドで収め、最後は東がゴール前に上げ、勝又がダイレクトシュートでニアポストを打ち抜いた。
カターレは懸命に防ごうとした。敵陣から駆け戻りGKを含め9人がペナルティーエリアにいたが、長野に左右に振られて相手をフリーにしてしまった。疲れがたまる苦しい時間帯であり、勝又のシュートも見事だった。しかし最近目立っていたクロスからの失点がまた繰り返されてしまったのは残念だ。
カターレはこれでJ2昇格の可能性が消えた。次節のホーム最終戦を含む残り2試合は長野のように意地を示さなければならない。今回、雨の中でも来場したサポーターの多くが来週も足を運ぶだろう。今度こそ勝利を届けてほしい。
※ハイライト映像あり(J公式サイト)
意地をみせたのは長野だった。退場者を出しながら10人で体を張って守り、逆転勝ちを呼び込んだ。終了間際に決勝点をボレーで蹴り込んだFW勝又慶典はこれが開幕戦以来となる今季2点目だった。
富山まで足を運び冷たい雨の中で声援を送り続けたサポーターにとっては最高のプレゼントだっただろう。悲願とする昇格を逃した痛みは残っても、このゲームに立ち会えたことは今季の良い思い出になるはずだ。選手、サポーターが一丸となり敗れてもなお立ち上がる。長野のクラブとしてのエネルギーを感じた一戦だった。
カターレの出来が悪くなかったことは記しておかなければならない。前節後の2週間はチームを立て直すために、特に攻守の切り替えを意識してトレーニングを積んできた。序盤からその成果がはっきりと表れていた。調子を上げていた長野のパスワークを寸断し、相手コートでボールを奪う場面が何度もあった。
FW佐々木一輝をツートップの一角に起用し、MF國吉貴博を左サイドハーフに上げた布陣も可能性を感じさせた。2人とMF佐々木陽次が流動的に動き回り、中央とサイドを効果的に使い分けながらチャンスをつくった。前半36分にFKでのサインプレーからDF佐藤和樹が鮮やかなミドルシュートを決めて先制点も挙がり、流れはつかんでいた。
長野は前半終了間際に得た右CKのポジション争いでFW萬代宏樹がレッドカードをもらい退場になった。判定に驚き膝を落とした彼を気の毒に思ったが、この出来事がドラマチックな展開の引き金となった。
後半、長野は[4-4-1]のフォーメーションで守りを固める。攻撃時はサイドハーフの1人がトップに位置する[4-3-2]で同点を狙った。「10人になったことで戦い方がはっきりした、というのはある。後半に入る時に『我慢していこう』というのは話していて、チャンスがあるとすればカウンターやセットプレーだと思っていた」とMF東浩史は話す。
後半16分に勝又が投入されると長野のカウンターアタックに鋭さが増し、長野の堅守速攻がはまる。同19分に右からのFKをDF西口諒が頭で決めて追い付いた。カターレはGK永井堅梧がキックをパンチングしようとしたがわずかに届かず防げなかった。
カターレは後半の立ち上がりに追加点のチャンスがあり、同10分にCKの流れからこぼれ球をDF登崎雅貴がシュートして枠を捉えたが長野GK阿部伸行が横っ飛びでセーブ。しかし同点にされてからは引いて守りを固める相手を攻めあぐねるようになった。同28分に佐々木陽が守備ブロック中央の狭いスペースで縦パスを受けてシュートを放つが上に外れる。次第に攻撃パターンが左からのクロスに偏り、ボールを保持しながらも勝ち越し点が挙がらないまま時間が進んだ。
勝又の決勝点はアディショナルタイムに入ってから生まれた。カターレのクロスを拾って攻撃に転じて勝又が右から運ぶ。クロスのこぼれ球を逆サイドで収め、最後は東がゴール前に上げ、勝又がダイレクトシュートでニアポストを打ち抜いた。
カターレは懸命に防ごうとした。敵陣から駆け戻りGKを含め9人がペナルティーエリアにいたが、長野に左右に振られて相手をフリーにしてしまった。疲れがたまる苦しい時間帯であり、勝又のシュートも見事だった。しかし最近目立っていたクロスからの失点がまた繰り返されてしまったのは残念だ。
カターレはこれでJ2昇格の可能性が消えた。次節のホーム最終戦を含む残り2試合は長野のように意地を示さなければならない。今回、雨の中でも来場したサポーターの多くが来週も足を運ぶだろう。今度こそ勝利を届けてほしい。
- 関連記事
-
- 【第33節vs鳥取プレビュー】最後まで全力
- ■カターレU-18、プリンス初昇格決める
- 第32節 富山×長野 マッチレポート■オレンジの意地に屈し昇格消える
- 第32節 富山×長野 試合後の選手コメント
- 第32節 富山×長野 長野・浅野哲也監督の会見コメント★質疑内容を追加