シーズン回顧(上)好発進。開幕7戦負けなし
- 2016/12/29
- 20:00
来季の監督が浮氣哲郎氏に決まり、新加入選手も続々と発表されて来季への準備が進んでいます。遅くなりましたがシーズン回顧を何回かに分けて掲載し、カターレ通信2016を締めくくりたいと思います。
◇
三浦泰年監督のもと攻撃的なパスサッカーを目標に掲げてスタート。「マイボールを大事にする」「結果と試合内容のどちらにもこだわる」「目先の勝敗に一喜一憂せず最終戦まで戦い抜く」という基本軸を打ち出してチームづくりを進めた。
「わたしには確実性を望んで(サッカーを)単純化する考えはない。じっくりと時間をかけ、できることをより増やしていきたい」と監督。野心的な挑戦だったが、戦術が浸透するのは予想以上に早かった。
開幕の鹿児島戦、ホーム初戦の福島戦は引き分けた。相手を上回る数のチャンスをつくりながらも勝ち切れず、早くも重圧がかかり始めていたが第3節のG大阪U-23戦で初勝利を挙げる。終盤、MF衛藤裕がFKを直接ゴールに蹴り込み勝ち越した。
この試合で衛藤が負傷して先行きが危ぶまれたが杞憂だった。負けなしを継続して第7節・大分戦、第8節・長野戦を連勝し2位に浮上。出来が今ひとつだった両チームに対し内容でもしっかり上回り、仕上がりの良さを印象づけた。特に長野戦はDF平出涼の負傷で急きょ途中出場したDF吉井直人が先制点を挙げ、ルーキーのFW萱沼優聖がダメ押しの追加点を奪う。勢いを感じさせる完勝劇だった。
試合途中にフォーメーションを変更したり、三上陽輔、北井佑季ら選手の配置を変えたりして攻撃のギアを上げる戦い方が定番になったのもこの時期だ。
勝てば首位に立つことができたアウェイでの第9節・秋田戦で今季初黒星を喫した。遠距離移動を考慮して前々日に現地入りするなど万全を期したが、拮抗したゲーム展開の中でPKから失点した。この時はいずれまた奪首のチャンスが巡って来ると思ったが…。
次節の栃木戦に0-1で負け初の連敗。開始直後にFKからミドルシュートを鮮やかに決められ、その後は攻守にわたり相手を圧倒したがゴールが遠かった。勝ち損ねた以上に、出遅れて窮地に陥っていたライバルに再起のきっかけを与えたのが痛かった。栃木はこの試合からJ3記録の10連勝をマークし一時は独走状態に。リーグの展開にも影響したであろうターニングポイントだった。
第11節の盛岡戦では[3-4-3]のフォーメーションで臨んだ。それまでは[4-1-4-1]あるいは[4-3-1-2]で戦ってきたが、「先を見据えてのトライ」(三浦監督)として実行。監督には「今季は30試合しかなく、じっくりは構えていられない。3試合単位でチームに変化を求めていかなければいけない」との考えがあった。ゲーム内容は悪くはなかった。しかし引き分けに終わる。平出の自身Jリーグ初ゴールを勝利に結びつけられなかった点でも惜しまれる。その後の戦いで3バックが用いられることはなかった。
3戦勝ちなしの後、3連勝を飾って持ち直したが、ゲーム内容はやや下降気味に。C大阪U-23戦は逆転勝ちたものの苦しみ、相模原戦はJ3降格後初のスカパー中継対象試合になり、指揮官も意気込んでいたがパフォーマンスは低調だった。
そして第15節の藤枝戦で今季初めて完敗を喫した。前半、FW木本敬介のゴールで一時は同点にしたが直後に勝ち越しを許す。ハーフタイムに2人を交代させる思い切った采配も当たらなかった。監督は「(後半は相手の運動量が落ちて)同じメンバーで続けていても主導権は握れる」と思っていたが、あえて動く決断をした。「もっとできるはず」という手ごたえ、自信の表れでもあったが、本来の力を発揮できないまま終わり、もどかしさが募る敗戦になった。
(つづく)
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三浦泰年監督のもと攻撃的なパスサッカーを目標に掲げてスタート。「マイボールを大事にする」「結果と試合内容のどちらにもこだわる」「目先の勝敗に一喜一憂せず最終戦まで戦い抜く」という基本軸を打ち出してチームづくりを進めた。
「わたしには確実性を望んで(サッカーを)単純化する考えはない。じっくりと時間をかけ、できることをより増やしていきたい」と監督。野心的な挑戦だったが、戦術が浸透するのは予想以上に早かった。
開幕の鹿児島戦、ホーム初戦の福島戦は引き分けた。相手を上回る数のチャンスをつくりながらも勝ち切れず、早くも重圧がかかり始めていたが第3節のG大阪U-23戦で初勝利を挙げる。終盤、MF衛藤裕がFKを直接ゴールに蹴り込み勝ち越した。
この試合で衛藤が負傷して先行きが危ぶまれたが杞憂だった。負けなしを継続して第7節・大分戦、第8節・長野戦を連勝し2位に浮上。出来が今ひとつだった両チームに対し内容でもしっかり上回り、仕上がりの良さを印象づけた。特に長野戦はDF平出涼の負傷で急きょ途中出場したDF吉井直人が先制点を挙げ、ルーキーのFW萱沼優聖がダメ押しの追加点を奪う。勢いを感じさせる完勝劇だった。
試合途中にフォーメーションを変更したり、三上陽輔、北井佑季ら選手の配置を変えたりして攻撃のギアを上げる戦い方が定番になったのもこの時期だ。
勝てば首位に立つことができたアウェイでの第9節・秋田戦で今季初黒星を喫した。遠距離移動を考慮して前々日に現地入りするなど万全を期したが、拮抗したゲーム展開の中でPKから失点した。この時はいずれまた奪首のチャンスが巡って来ると思ったが…。
次節の栃木戦に0-1で負け初の連敗。開始直後にFKからミドルシュートを鮮やかに決められ、その後は攻守にわたり相手を圧倒したがゴールが遠かった。勝ち損ねた以上に、出遅れて窮地に陥っていたライバルに再起のきっかけを与えたのが痛かった。栃木はこの試合からJ3記録の10連勝をマークし一時は独走状態に。リーグの展開にも影響したであろうターニングポイントだった。
第11節の盛岡戦では[3-4-3]のフォーメーションで臨んだ。それまでは[4-1-4-1]あるいは[4-3-1-2]で戦ってきたが、「先を見据えてのトライ」(三浦監督)として実行。監督には「今季は30試合しかなく、じっくりは構えていられない。3試合単位でチームに変化を求めていかなければいけない」との考えがあった。ゲーム内容は悪くはなかった。しかし引き分けに終わる。平出の自身Jリーグ初ゴールを勝利に結びつけられなかった点でも惜しまれる。その後の戦いで3バックが用いられることはなかった。
3戦勝ちなしの後、3連勝を飾って持ち直したが、ゲーム内容はやや下降気味に。C大阪U-23戦は逆転勝ちたものの苦しみ、相模原戦はJ3降格後初のスカパー中継対象試合になり、指揮官も意気込んでいたがパフォーマンスは低調だった。
そして第15節の藤枝戦で今季初めて完敗を喫した。前半、FW木本敬介のゴールで一時は同点にしたが直後に勝ち越しを許す。ハーフタイムに2人を交代させる思い切った采配も当たらなかった。監督は「(後半は相手の運動量が落ちて)同じメンバーで続けていても主導権は握れる」と思っていたが、あえて動く決断をした。「もっとできるはず」という手ごたえ、自信の表れでもあったが、本来の力を発揮できないまま終わり、もどかしさが募る敗戦になった。
(つづく)
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