第28節 富山×琉球 マッチレポート■好内容もドローに終わり昇格消える
- 2016/11/07
- 13:31
【第28節 富山1―1琉球 ▽得点者:後半11分・三上(富)、同19分・才藤(琉)】
※ダイジェスト映像あり(J公式サイト)
両者が最後までゴールを目指して攻め合ったナイスゲームだった。カターレは勝ち切れなかった。引き分けは今季9試合目。あと2試合を残してJ2昇格の可能性が消えた。
GK江角浩司が今季初先発。ダブルボランチは窪田良と椎名伸志で、脇本晃成が左サイドバックへ。苔口卓也と萱沼優聖のツートップは8月13日の第5節・鳥取戦以来だった。
期待通りの攻め合いを予感させる立ち上がり。開始2分以内に両チームがシュートを打ち合った。琉球はペナルティーエリアに迫ると、至近距離でプレーする複数人のグループで小刻みにパスをつないで突破にかかる。ワンタッチパスとクイックな動きの連続はハイテンポで、リーグ最多得点を挙げている攻撃力がかいま見えた。
対するカターレはピッチを広く使いながら長短のパスをつないで揺さぶり、サイド攻撃を中心にゴールを目指す。不完全燃焼に終わった前節の栃木戦を反省し、「自分たちのサッカーをする」との意志がプレーに表れていた。
ともに高い位置からプレスをかけて相手のパスワークに対抗するが、カターレの出足がまさって徐々にペースを引き寄せた。前半19分、DF代健司の攻撃参加を合図に押し込み、MF衛藤裕が右からクロス、代が飛び込み、こぼれ球をMF三上陽輔がシュートするがGKがセーブ。同32分には萱沼が左サイドからドリブルでえぐり、クロスが抜けたところに衛藤が詰めたがタイミングが合わずシュートは相手DFにクリアされた。
同37分にも代の持ち上がりから苔口を経由して三上がミドルシュートを放ったがGK朴一圭が左に飛んで好セーブした。
琉球の前半の好機は35分過ぎ。敵陣でのボール奪取からMF田中恵太の浮かせたシュートがクロスバーをかすめる。直後にもクリアを拾って攻め、MF仲村京雅がエリア内から狙ったがカターレの選手が体を張ってブロックした。
後半の立ち上がりはカターレが運動量を上げ、セカンドボールに次々と競り勝って押し込む。この流れで同11分に先制点が生まれる。三上が右サイドからドリブルで攻め上がり、相手守備陣のあいだを抜いて鮮やかに決めた。
しかし、琉球の反撃も強力だった。片方のサイドバックが高い位置をとる[3-4-3]のような攻撃陣形から前線の流動性のある動きでゴールに迫る。同19分、左サイドバック浦田樹の斜めのパスからFW才藤龍治が決めて追い付いた。DFを背負いながらトラップで流し、反転しながら左足で強いシュートを蹴り込んだ。
カターレはCKなどで好機をつくるが決め切れない。琉球は同42分にカウンターからスルーパスで抜けた田中が決定機を迎えたがGK江角が飛び出して防ぎ、そのこぼれ球を拾ったFWレオナルドのシュートは代がかき出してゴールを阻んだ。カターレは最後までつないで攻撃を組み立てようとし、終了直前にもCK、FKで勝ち越しを目指したが果たせなかった。
琉球側のコメントが印象に残った。「我々は常に複数得点を狙っていかないといけない。きょうも失点した」と金鍾成監督。キャプテンの田中は「良いかたちをつくっても点を取れなければだめ。きょうも1点しか取れていない」と話した。“2点以上取って勝つ”という彼らの方向性は明確だった。昇格を狙ったクラブのいくつかが、失点をしないことを優先した守備的なサッカーに振れているのとは対照的だ。
カターレは今季、自らアクションを起こしゴールを決めて勝ち切る攻撃的なサッカーを目指したが、得点が伸び悩んだ。今節は「かなり良いリズムとテンポは出せたんじゃないか」と三浦泰年監督が振り返るゲーム内容。しかしチャンスはあったが2点目は奪えず引き分けた。「アタックだけでなく、守備や気持ちの面でも“攻撃的”は今季のキーワードだった。この得点数と勝点数が物語るように、攻撃的なチームであると大きな声で言えるまでにはいかなかったのかなと思う」(三浦監督)。今季を象徴するような試合で節目を迎えた。
※ダイジェスト映像あり(J公式サイト)
両者が最後までゴールを目指して攻め合ったナイスゲームだった。カターレは勝ち切れなかった。引き分けは今季9試合目。あと2試合を残してJ2昇格の可能性が消えた。
GK江角浩司が今季初先発。ダブルボランチは窪田良と椎名伸志で、脇本晃成が左サイドバックへ。苔口卓也と萱沼優聖のツートップは8月13日の第5節・鳥取戦以来だった。
期待通りの攻め合いを予感させる立ち上がり。開始2分以内に両チームがシュートを打ち合った。琉球はペナルティーエリアに迫ると、至近距離でプレーする複数人のグループで小刻みにパスをつないで突破にかかる。ワンタッチパスとクイックな動きの連続はハイテンポで、リーグ最多得点を挙げている攻撃力がかいま見えた。
対するカターレはピッチを広く使いながら長短のパスをつないで揺さぶり、サイド攻撃を中心にゴールを目指す。不完全燃焼に終わった前節の栃木戦を反省し、「自分たちのサッカーをする」との意志がプレーに表れていた。
ともに高い位置からプレスをかけて相手のパスワークに対抗するが、カターレの出足がまさって徐々にペースを引き寄せた。前半19分、DF代健司の攻撃参加を合図に押し込み、MF衛藤裕が右からクロス、代が飛び込み、こぼれ球をMF三上陽輔がシュートするがGKがセーブ。同32分には萱沼が左サイドからドリブルでえぐり、クロスが抜けたところに衛藤が詰めたがタイミングが合わずシュートは相手DFにクリアされた。
同37分にも代の持ち上がりから苔口を経由して三上がミドルシュートを放ったがGK朴一圭が左に飛んで好セーブした。
琉球の前半の好機は35分過ぎ。敵陣でのボール奪取からMF田中恵太の浮かせたシュートがクロスバーをかすめる。直後にもクリアを拾って攻め、MF仲村京雅がエリア内から狙ったがカターレの選手が体を張ってブロックした。
後半の立ち上がりはカターレが運動量を上げ、セカンドボールに次々と競り勝って押し込む。この流れで同11分に先制点が生まれる。三上が右サイドからドリブルで攻め上がり、相手守備陣のあいだを抜いて鮮やかに決めた。
しかし、琉球の反撃も強力だった。片方のサイドバックが高い位置をとる[3-4-3]のような攻撃陣形から前線の流動性のある動きでゴールに迫る。同19分、左サイドバック浦田樹の斜めのパスからFW才藤龍治が決めて追い付いた。DFを背負いながらトラップで流し、反転しながら左足で強いシュートを蹴り込んだ。
カターレはCKなどで好機をつくるが決め切れない。琉球は同42分にカウンターからスルーパスで抜けた田中が決定機を迎えたがGK江角が飛び出して防ぎ、そのこぼれ球を拾ったFWレオナルドのシュートは代がかき出してゴールを阻んだ。カターレは最後までつないで攻撃を組み立てようとし、終了直前にもCK、FKで勝ち越しを目指したが果たせなかった。
琉球側のコメントが印象に残った。「我々は常に複数得点を狙っていかないといけない。きょうも失点した」と金鍾成監督。キャプテンの田中は「良いかたちをつくっても点を取れなければだめ。きょうも1点しか取れていない」と話した。“2点以上取って勝つ”という彼らの方向性は明確だった。昇格を狙ったクラブのいくつかが、失点をしないことを優先した守備的なサッカーに振れているのとは対照的だ。
カターレは今季、自らアクションを起こしゴールを決めて勝ち切る攻撃的なサッカーを目指したが、得点が伸び悩んだ。今節は「かなり良いリズムとテンポは出せたんじゃないか」と三浦泰年監督が振り返るゲーム内容。しかしチャンスはあったが2点目は奪えず引き分けた。「アタックだけでなく、守備や気持ちの面でも“攻撃的”は今季のキーワードだった。この得点数と勝点数が物語るように、攻撃的なチームであると大きな声で言えるまでにはいかなかったのかなと思う」(三浦監督)。今季を象徴するような試合で節目を迎えた。
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