第23節 富山×大分 マッチレポート■強敵から勝点1を加算
- 2016/09/26
- 11:38
【第23節 富山0―0大分 ▽得点者:なし】
※ダイジェスト映像あり(J公式サイト)
昇格をかけた上位対決はゴール前での攻防が多い見ごたえのあるゲームに。しかし、ともに決め切ることができずスコアレスドローで終えた。カターレは押され気味だったが粘り強く守って勝点1を加算。優勝争い、2位争いに踏みとどまった。
カターレは前節のYS横浜戦の後半に機能した[4-2-3-1]のフォーメーションでスタート。大分のボランチからツートップへの中央のラインを最も警戒していたこともこの布陣を選んだ理由だろう。
立ち上がりは上々で相手よりも先にゴールに迫った。5分に左サイドで細かくつないでDF國吉貴博がクロスを上げ、中央からFW大島康樹がシュートを放った。これで得た右CKの流れから國吉のクロスの上げ直しにファーサイドからDF進藤誠司が飛び込む。ヘディングシュートが左ポストをたたいた。
対する大分もボール奪取から縦に速い攻めで好機をつくる。13分にGKから展開してMF清本拓己が右からドリブルで切り込みシュート。こぼれ球を逆サイドからFW三平和司が狙いシュートが右ポストをかすめた。15分にもMF松本昌也が左からえぐってグラウンダーのクロスがゴール前を横切る際どいシーンがあった。
しかし、両者の守りの集中力が徐々に高まると、どちらも攻めあぐねるようになった。カターレは相手の守備ブロックのあいだでボールを受けるかたちが少なく、FW苔口卓也をサイドに走らせて裏を狙う攻めやMF萱沼優聖の単独による仕掛けが中心に。「(ビルドアップの)途中で詰まってしまう感じだった」とDF吉井直人が話したように、選手たちは流れの悪さを自覚していたようだ。萱沼は「単調になった。ギャップを使うなどしてもっと連係した良い攻撃をしなければいけない」と振り返った。
一方の大分は前線の多彩な動き出しと、そこを狙ったスルーパスやフィードで崩しにかかる。やや精度を欠いたが、1本でも通れば得点に直結しそうな攻めで相手を脅かした。
後半に入り15分ごろまでは交互に攻撃する拮抗した状況が続いたが、その後は大分が最後まで主導権を握って数多くのチャンスをつくった。19分にゴール前で細かくつないでシュートを放ち、20分にはロングフィードのこぼれ球に清本が走り込んで狙った。
37分には自陣ゴール前のピンチから切り返し、この日最大の決定機を創出。DF福森直也のフィードでFW伊佐耕平が左サイドに抜ける。パスを受けたFW後藤優介がGKと1対1になったが、カターレの永井堅梧が好セーブで得点を阻んだ。
三浦泰年監督は劣勢が続く中、「相手が攻め疲れて自分たちのほうに大きいチャンスがくる展開だと思った。(押し込まれても)それほどネガティブには捉えていなかった」と言う。予想通りにアディショナルタイムに入ってカターレにも勝機が訪れた。右CKからヘディングでつなぎ最後はGKの至近距離から進藤がシュート。しかし上に外れた。
すると大分にもラストチャンスが巡ってきて、右からのクロスにDF鈴木義宜が頭で合わせたがシュートがクロスバーに弾かれてタイムアップとなった。
試合後の会見でのやり取りを聞くと、大分はカターレが手堅く守備重視できたと捉えたようだ。確かに、大分の実力を認めて普段以上に守備意識は高かった。しかし、リスクを怖れて前に出て行かなかったというよりは、出て行けなかったというのが実情のようだ。
MF窪田良は「相手にボールを持たせ過ぎてしまった。守備への労力がボールを奪った後のプレーの質や攻撃にかけるパワーに影響して押し込まれた」と話す。マイボールの時間を増やし攻撃からリズムをつくるのが今季の戦い方。対戦相手が強かったとはいえ、目指しているサッカーを展開した場面が今回は少なかった。三浦監督は「ボールの取りどころ、ハードワークするうえでの動きの量と質が、後ろにかかり過ぎていたように感じた」。フォーメーションや選手の組み合わせを変更した影響もあったのかもしれない。試行錯誤はシーズンが終わるまで続く。反省点を次節のG大阪U-23戦に生かしたい。
今節、昇格を目指す上位5クラブのうち勝ったのは3位の鹿児島だけだった。残り7試合の中でもカターレを含め各チームが山谷に直面する可能性は高い。今回、負けられない大一番を我慢強く戦った経験は糧になる。
※ダイジェスト映像あり(J公式サイト)
昇格をかけた上位対決はゴール前での攻防が多い見ごたえのあるゲームに。しかし、ともに決め切ることができずスコアレスドローで終えた。カターレは押され気味だったが粘り強く守って勝点1を加算。優勝争い、2位争いに踏みとどまった。
カターレは前節のYS横浜戦の後半に機能した[4-2-3-1]のフォーメーションでスタート。大分のボランチからツートップへの中央のラインを最も警戒していたこともこの布陣を選んだ理由だろう。
立ち上がりは上々で相手よりも先にゴールに迫った。5分に左サイドで細かくつないでDF國吉貴博がクロスを上げ、中央からFW大島康樹がシュートを放った。これで得た右CKの流れから國吉のクロスの上げ直しにファーサイドからDF進藤誠司が飛び込む。ヘディングシュートが左ポストをたたいた。
対する大分もボール奪取から縦に速い攻めで好機をつくる。13分にGKから展開してMF清本拓己が右からドリブルで切り込みシュート。こぼれ球を逆サイドからFW三平和司が狙いシュートが右ポストをかすめた。15分にもMF松本昌也が左からえぐってグラウンダーのクロスがゴール前を横切る際どいシーンがあった。
しかし、両者の守りの集中力が徐々に高まると、どちらも攻めあぐねるようになった。カターレは相手の守備ブロックのあいだでボールを受けるかたちが少なく、FW苔口卓也をサイドに走らせて裏を狙う攻めやMF萱沼優聖の単独による仕掛けが中心に。「(ビルドアップの)途中で詰まってしまう感じだった」とDF吉井直人が話したように、選手たちは流れの悪さを自覚していたようだ。萱沼は「単調になった。ギャップを使うなどしてもっと連係した良い攻撃をしなければいけない」と振り返った。
一方の大分は前線の多彩な動き出しと、そこを狙ったスルーパスやフィードで崩しにかかる。やや精度を欠いたが、1本でも通れば得点に直結しそうな攻めで相手を脅かした。
後半に入り15分ごろまでは交互に攻撃する拮抗した状況が続いたが、その後は大分が最後まで主導権を握って数多くのチャンスをつくった。19分にゴール前で細かくつないでシュートを放ち、20分にはロングフィードのこぼれ球に清本が走り込んで狙った。
37分には自陣ゴール前のピンチから切り返し、この日最大の決定機を創出。DF福森直也のフィードでFW伊佐耕平が左サイドに抜ける。パスを受けたFW後藤優介がGKと1対1になったが、カターレの永井堅梧が好セーブで得点を阻んだ。
三浦泰年監督は劣勢が続く中、「相手が攻め疲れて自分たちのほうに大きいチャンスがくる展開だと思った。(押し込まれても)それほどネガティブには捉えていなかった」と言う。予想通りにアディショナルタイムに入ってカターレにも勝機が訪れた。右CKからヘディングでつなぎ最後はGKの至近距離から進藤がシュート。しかし上に外れた。
すると大分にもラストチャンスが巡ってきて、右からのクロスにDF鈴木義宜が頭で合わせたがシュートがクロスバーに弾かれてタイムアップとなった。
試合後の会見でのやり取りを聞くと、大分はカターレが手堅く守備重視できたと捉えたようだ。確かに、大分の実力を認めて普段以上に守備意識は高かった。しかし、リスクを怖れて前に出て行かなかったというよりは、出て行けなかったというのが実情のようだ。
MF窪田良は「相手にボールを持たせ過ぎてしまった。守備への労力がボールを奪った後のプレーの質や攻撃にかけるパワーに影響して押し込まれた」と話す。マイボールの時間を増やし攻撃からリズムをつくるのが今季の戦い方。対戦相手が強かったとはいえ、目指しているサッカーを展開した場面が今回は少なかった。三浦監督は「ボールの取りどころ、ハードワークするうえでの動きの量と質が、後ろにかかり過ぎていたように感じた」。フォーメーションや選手の組み合わせを変更した影響もあったのかもしれない。試行錯誤はシーズンが終わるまで続く。反省点を次節のG大阪U-23戦に生かしたい。
今節、昇格を目指す上位5クラブのうち勝ったのは3位の鹿児島だけだった。残り7試合の中でもカターレを含め各チームが山谷に直面する可能性は高い。今回、負けられない大一番を我慢強く戦った経験は糧になる。
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