天皇杯2回戦 鹿島×富山 マッチレポート■完敗。本物の強さを知る
- 2016/09/04
- 05:07
【天皇杯2回戦 鹿島3―0富山 ▽得点者:前半35分・赤崎(鹿)、同39分・柴崎(鹿)、後半14分・鈴木(鹿)】
試合が終わるとすぐに鹿島のゴール裏から石井コールがわき起こった。心労で一時休養した監督の復帰戦。彼らにとって勝たなければならない試合だった。
そんな本気の鹿島と戦った経験をカターレはどう生かすのか。MF衛藤裕は「現時点で自分たちの持っている力は出せたと思うが、これがJ1の鹿島との力の差」としたうえで、「プレスのスピードであるとか、きょう感じたことを普段から意識して練習できたらよい。次のトレーニングからしっかりやらなければ」と語った。
三浦泰年監督は先週の1回戦から先発を5人入れ替え、MF脇本晃成をアンカーに抜てきした[4-1-4-1]のフォーメーションで臨んだ。リーグ戦と同じ臨戦態勢を持続させて苦しみながらも勝ち取った鹿島との対戦。どう戦えばこの機会を最大限に生かしチーム力アップにつなげられるかを考え、新たなトライに踏み切った。
立ち上がりは上々だった。ボールをつなぎながら前進を図り、敵陣でプレーする時間をつくった。すると、様子をみるかのように自陣で対応していた鹿島が徐々に中盤でのプレスを強めていった。20分前後からは主導権を掌握し、23分に右サイドハーフに入る柴崎岳からのスルーパスで最初の決定機をつくった。
それでもカターレは慌てずに対応して時間は進んでいく。押し込まれてはいたが、蹴り出さずにつなごうという意志も変わらず示していた。しかし、無失点で折り返す理想の展開がみえ始めた35分に先制点を許した。左サイドのMFファブリシオが最終ラインを破る斜めのスルーパスを通し、中央でFW赤崎秀平が軽く触れて流し込んだ。「カットインからシュートを打ってくるとみんな思い込んでいた。スルーパスは頭になく隙を突かれた」とMF木本敬介が振り返る。守備ブロックをつくり人数はそろっていたが、時間が止まったかのように反応できない。上のレベルのアイデアと精度をみせつけられた。
直後の39分にはカウンター気味に攻められ左からのクロスがこぼれたところに走り込んだ柴崎に中央から決められて2点目を失った。
後半は余裕がでた鹿島がパスを回して早々に2度の決定機をつくる。カターレはなかなかボールを奪えない。ようやくマイボールにしても、鹿島に高い位置から緩みなくプレッシャーをかけられて苦しんだ。鹿島は後半14分、柴崎の右からのクロスに、左からDFを振り切って走り込んだFW鈴木優磨が合わせて勝負を決定づける3点目が挙がった。1点目もそうだったように、ラストパスと受け手の動き出しがシンクロナイズしてピンポイントで合い、ワンタッチで決まる鮮やかなゴールだった。
カターレは前半、敵陣には入ってもチャンスと呼べるほどの場面をつくれずシュートは1本だった。後半は10分にFKのこぼれ球を脇本が遠目からシュートし、15分にはFW中西倫也が右からペナルティーエリア内に進入してクロスを送った。
最後まで得点への意欲は示し、残り20分で4本のシュートを放った。パスを回しながら、攻め上がったサイドバックにボールをつける得意の攻撃パターンからも好機をつくった。この日の最大の得点チャンスは終了間際、衛藤のスルーパスで右サイドからDF三上陽輔が抜け、マイナス方向のクロスをFW萱沼優聖が狙ったが上に外れた。
鹿島は強かった。三浦監督は「勝利するために、素早い切り替えと、強い球際、ハードワークをJ1チームが我々に対してもしっかりやってくる。肌で感じただろう」と話した。プレーの質の高さはもちろん、戦う姿勢が貫かれていた。最高水準に触れることで、自らの立ち位置と目指すべき場所が分かる。脇本は「(負けは)悔しいが、もっともっとうまくなりたいと思った。同じポジションの小笠原選手や永木選手は守備の判断、予測が早かった。勉強させてもらった。近づけるように日々練習していきたい」と話した。
※鹿島×富山レポート(J公式サイト)
鹿島担当記者の田中さんが執筆されていますので御参照ください。
試合が終わるとすぐに鹿島のゴール裏から石井コールがわき起こった。心労で一時休養した監督の復帰戦。彼らにとって勝たなければならない試合だった。
そんな本気の鹿島と戦った経験をカターレはどう生かすのか。MF衛藤裕は「現時点で自分たちの持っている力は出せたと思うが、これがJ1の鹿島との力の差」としたうえで、「プレスのスピードであるとか、きょう感じたことを普段から意識して練習できたらよい。次のトレーニングからしっかりやらなければ」と語った。
三浦泰年監督は先週の1回戦から先発を5人入れ替え、MF脇本晃成をアンカーに抜てきした[4-1-4-1]のフォーメーションで臨んだ。リーグ戦と同じ臨戦態勢を持続させて苦しみながらも勝ち取った鹿島との対戦。どう戦えばこの機会を最大限に生かしチーム力アップにつなげられるかを考え、新たなトライに踏み切った。
立ち上がりは上々だった。ボールをつなぎながら前進を図り、敵陣でプレーする時間をつくった。すると、様子をみるかのように自陣で対応していた鹿島が徐々に中盤でのプレスを強めていった。20分前後からは主導権を掌握し、23分に右サイドハーフに入る柴崎岳からのスルーパスで最初の決定機をつくった。
それでもカターレは慌てずに対応して時間は進んでいく。押し込まれてはいたが、蹴り出さずにつなごうという意志も変わらず示していた。しかし、無失点で折り返す理想の展開がみえ始めた35分に先制点を許した。左サイドのMFファブリシオが最終ラインを破る斜めのスルーパスを通し、中央でFW赤崎秀平が軽く触れて流し込んだ。「カットインからシュートを打ってくるとみんな思い込んでいた。スルーパスは頭になく隙を突かれた」とMF木本敬介が振り返る。守備ブロックをつくり人数はそろっていたが、時間が止まったかのように反応できない。上のレベルのアイデアと精度をみせつけられた。
直後の39分にはカウンター気味に攻められ左からのクロスがこぼれたところに走り込んだ柴崎に中央から決められて2点目を失った。
後半は余裕がでた鹿島がパスを回して早々に2度の決定機をつくる。カターレはなかなかボールを奪えない。ようやくマイボールにしても、鹿島に高い位置から緩みなくプレッシャーをかけられて苦しんだ。鹿島は後半14分、柴崎の右からのクロスに、左からDFを振り切って走り込んだFW鈴木優磨が合わせて勝負を決定づける3点目が挙がった。1点目もそうだったように、ラストパスと受け手の動き出しがシンクロナイズしてピンポイントで合い、ワンタッチで決まる鮮やかなゴールだった。
カターレは前半、敵陣には入ってもチャンスと呼べるほどの場面をつくれずシュートは1本だった。後半は10分にFKのこぼれ球を脇本が遠目からシュートし、15分にはFW中西倫也が右からペナルティーエリア内に進入してクロスを送った。
最後まで得点への意欲は示し、残り20分で4本のシュートを放った。パスを回しながら、攻め上がったサイドバックにボールをつける得意の攻撃パターンからも好機をつくった。この日の最大の得点チャンスは終了間際、衛藤のスルーパスで右サイドからDF三上陽輔が抜け、マイナス方向のクロスをFW萱沼優聖が狙ったが上に外れた。
鹿島は強かった。三浦監督は「勝利するために、素早い切り替えと、強い球際、ハードワークをJ1チームが我々に対してもしっかりやってくる。肌で感じただろう」と話した。プレーの質の高さはもちろん、戦う姿勢が貫かれていた。最高水準に触れることで、自らの立ち位置と目指すべき場所が分かる。脇本は「(負けは)悔しいが、もっともっとうまくなりたいと思った。同じポジションの小笠原選手や永木選手は守備の判断、予測が早かった。勉強させてもらった。近づけるように日々練習していきたい」と話した。
※鹿島×富山レポート(J公式サイト)
鹿島担当記者の田中さんが執筆されていますので御参照ください。
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