第5節 富山×鳥取 マッチレポート■勝利の円陣。上昇の予感
- 2016/08/14
- 11:06
【第5節 富山4―1鳥取 ▽得点者:前半9分・苔口(富)、同25分・三上(富)、後半5分・萱沼(富)、同30分・フェルナンジーニョ(鳥)、同31分・三上(富)】
終了の整列後にカターレの選手、スタッフがベンチ前に集まる。全員で肩を組み円陣をつくった。そして右へ左へとその輪をまわしながら歓声を上げる。今夜の格別の勝利を心に刻み、残る10試合に一丸で挑むことを確かめ合う儀式のように感じた。
呼び掛けたのは三浦泰年監督だという。「きょうは(今季最多の4得点を挙げて)これまで足りなかったものを築くことができた。選手を評価し、ほめてあげたい。この喜びをしっかり受け止め、『次もまた勝ってピッチで円陣を組み回りたい』と思って日々良い準備ができたらよい」と考えた。リオ五輪を見ながら感じるところがあったそうだ。「勝った瞬間に笑ってしまったら次に(負けて)笑われてしまうんじゃないかと思っていた」という自らの考えにこだわるのを今回はやめた。期待に応えてくれた選手に報い、強まった信頼を伝える監督流のやり方だった。
必勝を期してゴールへの意識を高めた効果はてきめんに表れ、開始直後から攻め込んだ。3分にMF脇本晃成のスルーパスでFW苔口卓也が右サイドを突破すると、4分にはDF進藤誠司がオーバーラップしてペナルティーエリア内に進入。いずれも決定機の一歩手前まで持ち込んだ。そして9分に先制点が挙がる。MF窪田良からの縦パスがゴール前に入り、MF衛藤裕を経由して苔口へ。DFを外して左足でゴール左隅に沈めた。
その後もペースを緩めずに前半25分に左のFKからMF三上陽輔が第7節の大分戦以来となるゴールを挙げてリードを広げる。ファーサイドから進藤がヘディングで折り返し、DF北井佑季、三上と頭でつないで押し込んだ。
鳥取は新加入のブラジル人FWバルチ・ジュニオールが初先発し、フェルナンジーニョとツートップを組む[4-4-2]の布陣。守りではブロックをつくって対応するが、ボールホルダーへのアタックが遅れて相手のパスワークにリズムを与えてしまった。カターレは衛藤らが左サイドで小刻みにつなぎながら突破を狙い、逆サイドの高い位置でフリーになった進藤に送る大きな展開も交えてさらに追加点を目指した。
鳥取はパスをつなぐ攻めで反撃し、流れを変えるチャンスはあった。前半13分にバルチ・ジュニオールがエリア内でキープし、ラストパスをMF河合秀人が狙うがGK永井堅梧に好セーブで防がれた。アディショナルタイムには右サイドバックの山道淳司がドリブルで仕掛けて起点となりMF廣田隆治がエリア内に進入し、最後はフェルナンジーニョがシュート。直後にも左からフェルナンジーニョが持ち込み狙ったがいずれも枠を捉えられなかった。
ハーフタイムが明けて後半5分にゴール前の浮き球を苔口が落とし、FW萱沼優聖が今季7点目を決めてカターレのリードが3点に広がる。大きく勝利に近づいた。
鳥取は同10分にFW宮市剛を投入すると、2列目に下がったフェルナンジーニョを中心に相手を押し込んで数多くチャンスをつくるようになったが得点するまでには至らない。同30分にフェルナンジーニョが個人技で中央を破ってようやく1点を返したが、直後の同31分に前掛かりになったところを突かれて4点目を再び三上に決められて力尽きた。
カターレの1試合4得点はJリーグ入会以降のクラブ最多タイで6度目(2008年のJFLでは5得点が2試合ある)。
4位に浮上し、首位の栃木を勝点10差、2位の鹿児島を同4差で追い残り10試合に突入する。今回の勝利をきっかけに勢いに乗れるか。難敵の藤枝をホームに迎える9月11日の次節が楽しみだ。
【カターレの1試合最多得点】
2016年 8月13日 J3第 5節 ○4-1鳥取(H)
2015年 7月 5日 J3第19節 ○4-1藤枝(A)
2013年 9月29日 J2第35節 ○4-1福岡(A)
2011年10月30日 J2第33節 ○4-2鳥取(H)
2010年 5月 9日 J2第12節 ○4-0岡山(H)
2009年 5月 2日 J2第12節 ○4-0栃木(A)
終了の整列後にカターレの選手、スタッフがベンチ前に集まる。全員で肩を組み円陣をつくった。そして右へ左へとその輪をまわしながら歓声を上げる。今夜の格別の勝利を心に刻み、残る10試合に一丸で挑むことを確かめ合う儀式のように感じた。
呼び掛けたのは三浦泰年監督だという。「きょうは(今季最多の4得点を挙げて)これまで足りなかったものを築くことができた。選手を評価し、ほめてあげたい。この喜びをしっかり受け止め、『次もまた勝ってピッチで円陣を組み回りたい』と思って日々良い準備ができたらよい」と考えた。リオ五輪を見ながら感じるところがあったそうだ。「勝った瞬間に笑ってしまったら次に(負けて)笑われてしまうんじゃないかと思っていた」という自らの考えにこだわるのを今回はやめた。期待に応えてくれた選手に報い、強まった信頼を伝える監督流のやり方だった。
必勝を期してゴールへの意識を高めた効果はてきめんに表れ、開始直後から攻め込んだ。3分にMF脇本晃成のスルーパスでFW苔口卓也が右サイドを突破すると、4分にはDF進藤誠司がオーバーラップしてペナルティーエリア内に進入。いずれも決定機の一歩手前まで持ち込んだ。そして9分に先制点が挙がる。MF窪田良からの縦パスがゴール前に入り、MF衛藤裕を経由して苔口へ。DFを外して左足でゴール左隅に沈めた。
その後もペースを緩めずに前半25分に左のFKからMF三上陽輔が第7節の大分戦以来となるゴールを挙げてリードを広げる。ファーサイドから進藤がヘディングで折り返し、DF北井佑季、三上と頭でつないで押し込んだ。
鳥取は新加入のブラジル人FWバルチ・ジュニオールが初先発し、フェルナンジーニョとツートップを組む[4-4-2]の布陣。守りではブロックをつくって対応するが、ボールホルダーへのアタックが遅れて相手のパスワークにリズムを与えてしまった。カターレは衛藤らが左サイドで小刻みにつなぎながら突破を狙い、逆サイドの高い位置でフリーになった進藤に送る大きな展開も交えてさらに追加点を目指した。
鳥取はパスをつなぐ攻めで反撃し、流れを変えるチャンスはあった。前半13分にバルチ・ジュニオールがエリア内でキープし、ラストパスをMF河合秀人が狙うがGK永井堅梧に好セーブで防がれた。アディショナルタイムには右サイドバックの山道淳司がドリブルで仕掛けて起点となりMF廣田隆治がエリア内に進入し、最後はフェルナンジーニョがシュート。直後にも左からフェルナンジーニョが持ち込み狙ったがいずれも枠を捉えられなかった。
ハーフタイムが明けて後半5分にゴール前の浮き球を苔口が落とし、FW萱沼優聖が今季7点目を決めてカターレのリードが3点に広がる。大きく勝利に近づいた。
鳥取は同10分にFW宮市剛を投入すると、2列目に下がったフェルナンジーニョを中心に相手を押し込んで数多くチャンスをつくるようになったが得点するまでには至らない。同30分にフェルナンジーニョが個人技で中央を破ってようやく1点を返したが、直後の同31分に前掛かりになったところを突かれて4点目を再び三上に決められて力尽きた。
カターレの1試合4得点はJリーグ入会以降のクラブ最多タイで6度目(2008年のJFLでは5得点が2試合ある)。
4位に浮上し、首位の栃木を勝点10差、2位の鹿児島を同4差で追い残り10試合に突入する。今回の勝利をきっかけに勢いに乗れるか。難敵の藤枝をホームに迎える9月11日の次節が楽しみだ。
【カターレの1試合最多得点】
2016年 8月13日 J3第 5節 ○4-1鳥取(H)
2015年 7月 5日 J3第19節 ○4-1藤枝(A)
2013年 9月29日 J2第35節 ○4-1福岡(A)
2011年10月30日 J2第33節 ○4-2鳥取(H)
2010年 5月 9日 J2第12節 ○4-0岡山(H)
2009年 5月 2日 J2第12節 ○4-0栃木(A)
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