第32節 富山×秋田 マッチレポート■完敗で昇格消える
- 2015/10/05
- 12:10
【第32節 富山0―2秋田 ▽得点者:後半2分・川田(秋)、同13分・前山(秋)】
カターレの今季J2昇格の可能性が消えた。第2クールの後半ですでに難しい状況に陥っており、数字上の望みをどこまでつなげるかが焦点になっていた。結末は最悪といってよい。6試合を残し、ホームで敗れ、しかも今季ワーストに近いゲーム内容で確定の日を迎えた。
前節の大敗から再起を目指し、「前からボールを奪いにいく」というテーマを掲げ、フォーメーションも北井佑季をトップに上げる[4-4-2]に変更。GK江角浩司が14試合ぶりに先発した。
立ち上がりからともに守備意識が高く、攻めても決定機までは持ち込めない。前半から1点勝負を予感させる展開になった。カターレは高い位置から奪いにいこうという意志は感じられるものの、奪い切るシーンは多くはなかった。秋田はリーグの中でもポゼッションに長けるチームであり、結局は相手にボールを保持され自陣でブロックをつくって守る時間が長かった。
秋田の前線は守備への切り替えが素早く、カターレは攻撃のリズムもなかなかつくれない。カウンターやロングボールが中心になった。それでも6分のMF國吉貴博のFKや、22分のFW苔口卓也の反転シュート、32分のMF三上陽輔のミドルシュートなどゴールに迫る場面はあった。0-0での折り返しは悪くない途中経過だった。
しかし後半2分にあっさりと先制点を許した。
秋田は敵陣までせり出したスリーバックの左・山田尚幸がアタックにきた相手を1人交わして大きく右斜め前方に展開。待ち構えていた右ウイングバックの川田和宏がフリーな状態で受けてGKと1対1になり、浮き球の技ありシュートでゴールネットを揺らした。サイドからサイドへの大きな展開でチャンスメークする秋田が得意とするかたちが見事にはまった。
同13分の秋田の2点目も似たパターンから。MF島川俊郎の自陣左から右前方へのサイドチェンジによって、今度はスリーバックの右キローラン木鈴がサイド深くに進入。フリーな状態から好クロスを蹴り込まれ、MF前山恭平がヘディングで合わせた。「中盤で数的不利をつくられ、絞ったところでサイドを突かれたという点では同じような印象の失点かもしれない」とDF平出涼は振り返る。守備のコンセプトや布陣の変更も影響があったようだ。
カターレは反撃に転じたが、秋田は守りを固めるとともに前線の選手がプレスを緩めない。カターレの後半のチャンスはCKにDF内田錬平がヘディングで合わせた11分や、FW北井が中盤で奪ってドリブルでゴール前まで運んだ23分、MF村松知輝がペナルティーエリアにドルブルで仕掛けた26分など。ラストプレーでCKにDF吉井直人がヘディングで飛び込んだが外れ、1点でも返してほしいというサポーターの願いはかなわなかった。
これで4試合連続完封になった秋田の堅守があったとはいえ、後半のカターレは決定機と呼べるチャンスをつくれなかった。コンビネーションが合わず、独力での突破を試みるがちぐはぐな印象が残った。「どうやって得点を挙げるかという攻撃の構築を1年間通じてできなかった」という澤入重雄監督の言葉を象徴するような試合だった。
一方で安定しつつあった守備も前節5失点、今節2失点と粘り強さを欠いている。球際や走り合いで負けない、最後まで体を張る、集中力を緩めない、といった岸野靖之監督のもとで積み重ねてきた良い部分まで失われてしまうことを危惧せずにはいられない。次節の町田との対戦でこそ意地を示してほしい。
試合後、ゴール裏のサポーターが酒井英治社長に対し、成績不振に対する責任の所在や今後の方針について問いただした。サポーターの怒りは、昇格を逃したという結果だけからくるものではない。トップチームの強化に方向性が見えず、来季への希望が抱けないことへの不安や苛立ち、不信感のほうが理由として大きい。サッカーにおいて勝ち負けに絶対はない。すべてのクラブに試合ごとシーズンごとの浮き沈みがある。カターレのサポーターはこのことをよく理解している。問われているのはクラブとしての姿勢だ。
カターレの今季J2昇格の可能性が消えた。第2クールの後半ですでに難しい状況に陥っており、数字上の望みをどこまでつなげるかが焦点になっていた。結末は最悪といってよい。6試合を残し、ホームで敗れ、しかも今季ワーストに近いゲーム内容で確定の日を迎えた。
前節の大敗から再起を目指し、「前からボールを奪いにいく」というテーマを掲げ、フォーメーションも北井佑季をトップに上げる[4-4-2]に変更。GK江角浩司が14試合ぶりに先発した。
立ち上がりからともに守備意識が高く、攻めても決定機までは持ち込めない。前半から1点勝負を予感させる展開になった。カターレは高い位置から奪いにいこうという意志は感じられるものの、奪い切るシーンは多くはなかった。秋田はリーグの中でもポゼッションに長けるチームであり、結局は相手にボールを保持され自陣でブロックをつくって守る時間が長かった。
秋田の前線は守備への切り替えが素早く、カターレは攻撃のリズムもなかなかつくれない。カウンターやロングボールが中心になった。それでも6分のMF國吉貴博のFKや、22分のFW苔口卓也の反転シュート、32分のMF三上陽輔のミドルシュートなどゴールに迫る場面はあった。0-0での折り返しは悪くない途中経過だった。
しかし後半2分にあっさりと先制点を許した。
秋田は敵陣までせり出したスリーバックの左・山田尚幸がアタックにきた相手を1人交わして大きく右斜め前方に展開。待ち構えていた右ウイングバックの川田和宏がフリーな状態で受けてGKと1対1になり、浮き球の技ありシュートでゴールネットを揺らした。サイドからサイドへの大きな展開でチャンスメークする秋田が得意とするかたちが見事にはまった。
同13分の秋田の2点目も似たパターンから。MF島川俊郎の自陣左から右前方へのサイドチェンジによって、今度はスリーバックの右キローラン木鈴がサイド深くに進入。フリーな状態から好クロスを蹴り込まれ、MF前山恭平がヘディングで合わせた。「中盤で数的不利をつくられ、絞ったところでサイドを突かれたという点では同じような印象の失点かもしれない」とDF平出涼は振り返る。守備のコンセプトや布陣の変更も影響があったようだ。
カターレは反撃に転じたが、秋田は守りを固めるとともに前線の選手がプレスを緩めない。カターレの後半のチャンスはCKにDF内田錬平がヘディングで合わせた11分や、FW北井が中盤で奪ってドリブルでゴール前まで運んだ23分、MF村松知輝がペナルティーエリアにドルブルで仕掛けた26分など。ラストプレーでCKにDF吉井直人がヘディングで飛び込んだが外れ、1点でも返してほしいというサポーターの願いはかなわなかった。
これで4試合連続完封になった秋田の堅守があったとはいえ、後半のカターレは決定機と呼べるチャンスをつくれなかった。コンビネーションが合わず、独力での突破を試みるがちぐはぐな印象が残った。「どうやって得点を挙げるかという攻撃の構築を1年間通じてできなかった」という澤入重雄監督の言葉を象徴するような試合だった。
一方で安定しつつあった守備も前節5失点、今節2失点と粘り強さを欠いている。球際や走り合いで負けない、最後まで体を張る、集中力を緩めない、といった岸野靖之監督のもとで積み重ねてきた良い部分まで失われてしまうことを危惧せずにはいられない。次節の町田との対戦でこそ意地を示してほしい。
試合後、ゴール裏のサポーターが酒井英治社長に対し、成績不振に対する責任の所在や今後の方針について問いただした。サポーターの怒りは、昇格を逃したという結果だけからくるものではない。トップチームの強化に方向性が見えず、来季への希望が抱けないことへの不安や苛立ち、不信感のほうが理由として大きい。サッカーにおいて勝ち負けに絶対はない。すべてのクラブに試合ごとシーズンごとの浮き沈みがある。カターレのサポーターはこのことをよく理解している。問われているのはクラブとしての姿勢だ。
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- カテゴリ:第32節●0-2秋田