岸野監督を解任/記者会見詳報
- 2015/08/27
- 16:58
カターレ富山は27日付けで岸野靖之監督との契約を双方合意のうえ解除したと発表した。成績不振を理由とする実質の解任。鄭容臺ヘッドコーチとの契約も解除した。残るリーグ戦では当面の間、監督は澤入重雄ゼネラルマネジャーが務める。
クラブは同日午前に岸野監督に意向を伝え、その後、選手にも決定事項が伝えられた。16時から県総合運動公園陸上競技場のクラブ事務所で記者会見した酒井英治社長は冒頭で「J3リーグで中位に低迷し、天皇杯への出場権を逃してしまったことから、いち早くチームを編成し、出直すために苦渋の決断をした」とのプレスリリース文を読み上げた。
以下に会見の詳報を伝える。
●酒井英治社長
岸野さんには1年でのJ2復帰というクラブの大きな目標を達成するべく、多くのカターレファンやサポーターの大きな期待をうけて監督に就任していただいた。わたしも大きな期待をもった一人だった。しかし、第2クールまでの成績は7位と低迷したままで、33という勝点数も、上位からかなり引き離されており、この後は大変厳しい状況だと認識している。さらに加えて先般の天皇杯の富山県代表を決める試合で、地域リーグの新庄クラブに敗戦を喫した。我々はプロのサッカークラブとしていろいろな事業を展開しており、これはあってはならない結果に終わったといえる。ファンやサポーターをはじめこれまでクラブを支えてくださっている多くの方たちに大きな失望を与えるとともに、当クラブの存在意義に対しても疑念を抱かせかねない事態を招くことになった。
このような状況をうけて、澤入ゼネラルマネジャー(GM)や当社の役員との協議の結果、この後の第3クールを戦うにあたり、結果責任を明確にしたうえで流れを変えていかなければならないと決断した。今回このタイミングでの監督交代はやむを得ず、苦渋の決断となった。
このような結果となったが岸野監督は熱い思いにあふれる素晴らしい指導者であるとわたし自身も思っている。これまでの8カ月、チームの指導、強化に対して尽力いただいたことに感謝を申し上げたいし、実際に感謝を伝えた。この後は新監督やヘッドコーチの人選を進めていくが、それにはある程度の時間が必要であり、ここにいる澤入GMに監督が決まるまでチームの指揮をとってもらうことにした。このようにシーズン途中で指導者が変わり、大変に大きな変革の時を迎えているカターレ富山であるが、チーム、フロントが心をひとつにして、この後の第3クールを全力で戦い、その姿をファンやサポーター、我々を支援してくださっている多くのみなさんに見ていただく、変わった姿を見ていただければありがたい。引き続きご支援とご声援をたまわりますようお願い申し上げます。
Q:澤入監督は暫定ということか。GMとの兼任か。
(酒井社長)
Jリーグの規定に暫定監督というものはない。GMとの兼務になる。監督の選任は進めていく。その間の暫定的なものと考えていただきたい。早めに監督を決め、その流れをもって次のシーズンを迎えるかたちがよいだろう。チームをつくり直すのにまた1年かかるというのではなく、澤入GMには次の監督の選任にも注力いただきたいと思っている。ヘッドコーチは空席になるが、強化部のスタッフ、アカデミーの指導者も協力するかたちでカバーする。
Q:第3クールの目標と、どういう戦いをしていきたいのか聞かせてほしい。
(澤入GM)
クラブを支えていただいているサポーター、スポンサー、あわせて富山県民のみなさまに、期待に応える結果を出せずにおわび申し上げたい。わたしも昨年11月末からチーム編成に関わってきたので責任を非常に強く感じている。岸野さんには、実直にやっていただいて感謝の気持ちでいっぱい。
監督は後任が決まるまでとの話ではあるが、やっている期間は一戦一戦をきちっと全力で、勝つことだけに集中しながらやっていきたい。第1、第2クールの24試合を終えて今の勝点ではJ2復帰は非常に厳しい状況になっている。そこを計算するのではなく、この状況にある我々カターレ富山が一戦一戦勝利を目指して戦っていくという姿をみせる、結果を残していくというのが大事なことではなかろうかと思う。そこに対して全力でやっていきたい。
Q:「結果責任」との発言があった。ならば目標のJ2復帰の可能性が厳しくなる前にもっと早く決断する選択もあっただろう。一方で、岸野監督のもと取り組んできてようやく前節に今季2度目の2連勝を飾って成果が出始めたとも捉えられる。天皇杯予選での敗退がきっかけであるようだが、これまでの経過を踏まえるとサポーターにも、スポンサーにも、わたしたち取材する側にも今回の決断に納得がいかない者はいると思う。もう少し説明してほしい。
(酒井社長)
第1クールは5勝5敗2分の勝点17で7位。成績はかんばしくなかった。まだまだ選手そのものが育ってきてないのかなということで第2クールのしばらくは様子をみようとした。その時点でも、この成績では問題だなというのはあったが、成長の過程だろうと思っていた。結果として第2クールは(最後に)2連勝はしたものの4勝4敗4分で勝点16だった。第2クールの勝点が伸びていれば育ってきたとの見方もできたが、連勝したとはいえ伸びていない、我慢したけれどもそうだったということで判断した。加えて天皇杯のことも踏まえてトータルして、このようなかたちでこれ以上お任せするのはチームそのものが伸びていかないし、このような状態では崩壊してしまう恐れがあるとの考えからこのような結論に至った。
Q:この時点で監督を代えると積み重ねてきたものまで失う恐れもある。クラブとして今季のJ2復帰をあきらめたとも捉えられかねないのではないか。
(酒井社長)
(今季のJ2復帰が)非常に厳しい状況にはある。その中で、このままでいっても大きな進歩はない、少しずつでも伸びてきていればいろいろな捉え方もできたのだが、横ばいか下がっている。やはり、この後、J2復帰を目指して戦っていくにもなかなか期待がもてないのではないかと判断した。これは数字的な判断。感情的には、わたしも期待して招き入れた素晴らしい監督なので(結果を残してもらいたかった)。数値結果を踏まえた判断。
Q:勝点が伸びなかった要因は。
(澤入GM)
要因はひとつではなく多くあると思う。24試合を分析すると、3点差で敗れた6月の山口戦を除き、それ以外は引き分けか、1点差の負けだった。山口戦にせよ2-5ではあったが早い段階で2点をリードする展開だった。どの試合も明らかに力負けしたというのはなく、すべて接戦をひとつ勝ち切れない、勝ち越せない、追い付けないというものだった。J1においては勝点1が大きくても、J3においては勝点3を逃せば1はゼロに近い意味合いになる。その苦しみを感じながらやっていた。
接戦を落としたことが勝点を伸ばせなかったことにつながっている。勝点3にできなかっただろうかと思う何試合かがあり、ゼロに終わった何試合かにも内容は良かったのに…というものがある。1点取られて取り返せなかった。サッカーなのでそういうゲームは数多くあるのだが、あまりにもそういうゲームが勝点を奪ってしまった。細かい技術的、戦術的なものはあるとは思うが、そのようなゲームをどうにか勝点3にもっていくというところが選手にとって大事になる。そこをどう植え付けていくかが大事になると思う。
Q:急な監督交代で選手の動揺を心配するが、どのタイミングで伝えたのか。
(酒井社長)
岸野さんに伝えた後にわたしがクラブハウスに行き、お話をさせていただいた。岸野さんが選手にご挨拶した後だった。選手の気持ちは測り知れないが、しっかり前を向いて聞いていた。
Q:岸野監督の色を受け継いでいくのか、何か新しいものを見いだしていくのか。
(澤入GM)
戦術とかではなく、カターレというチームがホームでもアウェイでもまず選手が戦わなければならない。プレーをするのは選手なので、どういうふうに選手が戦うのが勝ちに近いのかはきちっと判断したい。あくまでも勝つために、どんなトレーニングをするのがよいのか、どんな選手の選考がよいのか全力で考えていきたい。こんな戦術、こんな攻撃と口でポンと伝えるのではなく、トレーニングを通じて伝え、トレーニングを通じて選手を把握したい。それが結果的に岸野監督のものと同じになるか違うかということになるだろうが、岸野さんがキャンプからずっと、1対1で戦うんだ、勝つんだということを選手に伝えてきたし、それを前面に押し出して戦ってこられた。そういうものは非常にサッカーにとって大事なものである。
Q:岸野監督は早い段階で(J2復帰を実現するには)戦力的に足りない部分があると警告していたと思う。それに対してクラブはどう考えて対応してきたのか。
(澤入GM)
昨年からの契約続行など編成を終え、岸野監督に就任していただいた。提言も聞いている。第1クールを終えた時点で次にどうするか話し合った。真ん中ぐらいに位置しており、あきらめる数字ではなかった。そこから戦力補強も含めてやっていかなければならないと現場スタッフと確認した。そこからの補強は、入ってもらうからには活躍してもらうという吟味が必要。岸野監督とどんなタイプの選手が必要で、チームに入れてみてどうかなどを確認しながら作業をしてきた。
そのうえで社長も言ったように、今の段階で大きく流れを変えるなら、そこだと。信じてほしいのは、クラブはあきらめるのではなく今の状況で少しでも可能性を高くするためにどうすればよいかということで苦渋の決断に至った。軽々しくではなく、きちっと判断、吟味を重ねて判断した。社長もわたしも1試合1試合、月日を重ねて葛藤はあった。
補強には今どういう状態か把握して補強する、今後どういう状態になってほしくて補強するなどいろいろな方法はあるが、今年に関しては今はどういう状況か、チーム、クラブの置かれている状況を判断してその中で精いっぱいやっていくというスタンスだった。それが足りたか足りなかったかはみなさんが判断していっていただけるものかと思う。今回の決断は流れを変えるための、社長としても苦渋の決断だったと思う。
Q:監督交代はいつから考えていたのか。次の監督の人選は進んでいるのか。
(澤入GM)
常にクラブとしていろいろ考えてやっている。社長もわたしもクラブを預かる者の責任として、一番のキーになるのは監督だと思っている。そこに関しては常に評価ではないが、どうなんだという話はする。3月の第2節に鳥取戦に負けてどうだという話はしたとしてもそれが監督の交代に直結するものではないように、監督を含めたコミュニケーションは常にある。実はこの監督交代が急なものであり、まだ手はまわっていない。まず人選に入る。できるだけ早くしたいとは思う。
Q:トップチームの状況は分かった。この機会にそのほかクラブ運営の現状について説明を願いたい。
(酒井社長)
J3に落ちた結果、収入は落ちている。入場者数は昨季が1試合平均4266人だったが、今季は3000人を切っており1000人以上少なくなっている。クラブとしては努力しているが、いろんなスポンサー様からの協力も昨年のような額は望めない。経営的には厳しい中で運営していかなければならないというのは事実。いろんな意味において、カターレ富山はよいチームだね、また応援してあげたいね、と言ってもらえるところに再びもっていかないと、収入は少なくなっていくだろうと危惧している。いろんな意味で頑張っていかなければならないと思っている。
以上
クラブは同日午前に岸野監督に意向を伝え、その後、選手にも決定事項が伝えられた。16時から県総合運動公園陸上競技場のクラブ事務所で記者会見した酒井英治社長は冒頭で「J3リーグで中位に低迷し、天皇杯への出場権を逃してしまったことから、いち早くチームを編成し、出直すために苦渋の決断をした」とのプレスリリース文を読み上げた。
以下に会見の詳報を伝える。
●酒井英治社長
岸野さんには1年でのJ2復帰というクラブの大きな目標を達成するべく、多くのカターレファンやサポーターの大きな期待をうけて監督に就任していただいた。わたしも大きな期待をもった一人だった。しかし、第2クールまでの成績は7位と低迷したままで、33という勝点数も、上位からかなり引き離されており、この後は大変厳しい状況だと認識している。さらに加えて先般の天皇杯の富山県代表を決める試合で、地域リーグの新庄クラブに敗戦を喫した。我々はプロのサッカークラブとしていろいろな事業を展開しており、これはあってはならない結果に終わったといえる。ファンやサポーターをはじめこれまでクラブを支えてくださっている多くの方たちに大きな失望を与えるとともに、当クラブの存在意義に対しても疑念を抱かせかねない事態を招くことになった。
このような状況をうけて、澤入ゼネラルマネジャー(GM)や当社の役員との協議の結果、この後の第3クールを戦うにあたり、結果責任を明確にしたうえで流れを変えていかなければならないと決断した。今回このタイミングでの監督交代はやむを得ず、苦渋の決断となった。
このような結果となったが岸野監督は熱い思いにあふれる素晴らしい指導者であるとわたし自身も思っている。これまでの8カ月、チームの指導、強化に対して尽力いただいたことに感謝を申し上げたいし、実際に感謝を伝えた。この後は新監督やヘッドコーチの人選を進めていくが、それにはある程度の時間が必要であり、ここにいる澤入GMに監督が決まるまでチームの指揮をとってもらうことにした。このようにシーズン途中で指導者が変わり、大変に大きな変革の時を迎えているカターレ富山であるが、チーム、フロントが心をひとつにして、この後の第3クールを全力で戦い、その姿をファンやサポーター、我々を支援してくださっている多くのみなさんに見ていただく、変わった姿を見ていただければありがたい。引き続きご支援とご声援をたまわりますようお願い申し上げます。
Q:澤入監督は暫定ということか。GMとの兼任か。
(酒井社長)
Jリーグの規定に暫定監督というものはない。GMとの兼務になる。監督の選任は進めていく。その間の暫定的なものと考えていただきたい。早めに監督を決め、その流れをもって次のシーズンを迎えるかたちがよいだろう。チームをつくり直すのにまた1年かかるというのではなく、澤入GMには次の監督の選任にも注力いただきたいと思っている。ヘッドコーチは空席になるが、強化部のスタッフ、アカデミーの指導者も協力するかたちでカバーする。
Q:第3クールの目標と、どういう戦いをしていきたいのか聞かせてほしい。
(澤入GM)
クラブを支えていただいているサポーター、スポンサー、あわせて富山県民のみなさまに、期待に応える結果を出せずにおわび申し上げたい。わたしも昨年11月末からチーム編成に関わってきたので責任を非常に強く感じている。岸野さんには、実直にやっていただいて感謝の気持ちでいっぱい。
監督は後任が決まるまでとの話ではあるが、やっている期間は一戦一戦をきちっと全力で、勝つことだけに集中しながらやっていきたい。第1、第2クールの24試合を終えて今の勝点ではJ2復帰は非常に厳しい状況になっている。そこを計算するのではなく、この状況にある我々カターレ富山が一戦一戦勝利を目指して戦っていくという姿をみせる、結果を残していくというのが大事なことではなかろうかと思う。そこに対して全力でやっていきたい。
Q:「結果責任」との発言があった。ならば目標のJ2復帰の可能性が厳しくなる前にもっと早く決断する選択もあっただろう。一方で、岸野監督のもと取り組んできてようやく前節に今季2度目の2連勝を飾って成果が出始めたとも捉えられる。天皇杯予選での敗退がきっかけであるようだが、これまでの経過を踏まえるとサポーターにも、スポンサーにも、わたしたち取材する側にも今回の決断に納得がいかない者はいると思う。もう少し説明してほしい。
(酒井社長)
第1クールは5勝5敗2分の勝点17で7位。成績はかんばしくなかった。まだまだ選手そのものが育ってきてないのかなということで第2クールのしばらくは様子をみようとした。その時点でも、この成績では問題だなというのはあったが、成長の過程だろうと思っていた。結果として第2クールは(最後に)2連勝はしたものの4勝4敗4分で勝点16だった。第2クールの勝点が伸びていれば育ってきたとの見方もできたが、連勝したとはいえ伸びていない、我慢したけれどもそうだったということで判断した。加えて天皇杯のことも踏まえてトータルして、このようなかたちでこれ以上お任せするのはチームそのものが伸びていかないし、このような状態では崩壊してしまう恐れがあるとの考えからこのような結論に至った。
Q:この時点で監督を代えると積み重ねてきたものまで失う恐れもある。クラブとして今季のJ2復帰をあきらめたとも捉えられかねないのではないか。
(酒井社長)
(今季のJ2復帰が)非常に厳しい状況にはある。その中で、このままでいっても大きな進歩はない、少しずつでも伸びてきていればいろいろな捉え方もできたのだが、横ばいか下がっている。やはり、この後、J2復帰を目指して戦っていくにもなかなか期待がもてないのではないかと判断した。これは数字的な判断。感情的には、わたしも期待して招き入れた素晴らしい監督なので(結果を残してもらいたかった)。数値結果を踏まえた判断。
Q:勝点が伸びなかった要因は。
(澤入GM)
要因はひとつではなく多くあると思う。24試合を分析すると、3点差で敗れた6月の山口戦を除き、それ以外は引き分けか、1点差の負けだった。山口戦にせよ2-5ではあったが早い段階で2点をリードする展開だった。どの試合も明らかに力負けしたというのはなく、すべて接戦をひとつ勝ち切れない、勝ち越せない、追い付けないというものだった。J1においては勝点1が大きくても、J3においては勝点3を逃せば1はゼロに近い意味合いになる。その苦しみを感じながらやっていた。
接戦を落としたことが勝点を伸ばせなかったことにつながっている。勝点3にできなかっただろうかと思う何試合かがあり、ゼロに終わった何試合かにも内容は良かったのに…というものがある。1点取られて取り返せなかった。サッカーなのでそういうゲームは数多くあるのだが、あまりにもそういうゲームが勝点を奪ってしまった。細かい技術的、戦術的なものはあるとは思うが、そのようなゲームをどうにか勝点3にもっていくというところが選手にとって大事になる。そこをどう植え付けていくかが大事になると思う。
Q:急な監督交代で選手の動揺を心配するが、どのタイミングで伝えたのか。
(酒井社長)
岸野さんに伝えた後にわたしがクラブハウスに行き、お話をさせていただいた。岸野さんが選手にご挨拶した後だった。選手の気持ちは測り知れないが、しっかり前を向いて聞いていた。
Q:岸野監督の色を受け継いでいくのか、何か新しいものを見いだしていくのか。
(澤入GM)
戦術とかではなく、カターレというチームがホームでもアウェイでもまず選手が戦わなければならない。プレーをするのは選手なので、どういうふうに選手が戦うのが勝ちに近いのかはきちっと判断したい。あくまでも勝つために、どんなトレーニングをするのがよいのか、どんな選手の選考がよいのか全力で考えていきたい。こんな戦術、こんな攻撃と口でポンと伝えるのではなく、トレーニングを通じて伝え、トレーニングを通じて選手を把握したい。それが結果的に岸野監督のものと同じになるか違うかということになるだろうが、岸野さんがキャンプからずっと、1対1で戦うんだ、勝つんだということを選手に伝えてきたし、それを前面に押し出して戦ってこられた。そういうものは非常にサッカーにとって大事なものである。
Q:岸野監督は早い段階で(J2復帰を実現するには)戦力的に足りない部分があると警告していたと思う。それに対してクラブはどう考えて対応してきたのか。
(澤入GM)
昨年からの契約続行など編成を終え、岸野監督に就任していただいた。提言も聞いている。第1クールを終えた時点で次にどうするか話し合った。真ん中ぐらいに位置しており、あきらめる数字ではなかった。そこから戦力補強も含めてやっていかなければならないと現場スタッフと確認した。そこからの補強は、入ってもらうからには活躍してもらうという吟味が必要。岸野監督とどんなタイプの選手が必要で、チームに入れてみてどうかなどを確認しながら作業をしてきた。
そのうえで社長も言ったように、今の段階で大きく流れを変えるなら、そこだと。信じてほしいのは、クラブはあきらめるのではなく今の状況で少しでも可能性を高くするためにどうすればよいかということで苦渋の決断に至った。軽々しくではなく、きちっと判断、吟味を重ねて判断した。社長もわたしも1試合1試合、月日を重ねて葛藤はあった。
補強には今どういう状態か把握して補強する、今後どういう状態になってほしくて補強するなどいろいろな方法はあるが、今年に関しては今はどういう状況か、チーム、クラブの置かれている状況を判断してその中で精いっぱいやっていくというスタンスだった。それが足りたか足りなかったかはみなさんが判断していっていただけるものかと思う。今回の決断は流れを変えるための、社長としても苦渋の決断だったと思う。
Q:監督交代はいつから考えていたのか。次の監督の人選は進んでいるのか。
(澤入GM)
常にクラブとしていろいろ考えてやっている。社長もわたしもクラブを預かる者の責任として、一番のキーになるのは監督だと思っている。そこに関しては常に評価ではないが、どうなんだという話はする。3月の第2節に鳥取戦に負けてどうだという話はしたとしてもそれが監督の交代に直結するものではないように、監督を含めたコミュニケーションは常にある。実はこの監督交代が急なものであり、まだ手はまわっていない。まず人選に入る。できるだけ早くしたいとは思う。
Q:トップチームの状況は分かった。この機会にそのほかクラブ運営の現状について説明を願いたい。
(酒井社長)
J3に落ちた結果、収入は落ちている。入場者数は昨季が1試合平均4266人だったが、今季は3000人を切っており1000人以上少なくなっている。クラブとしては努力しているが、いろんなスポンサー様からの協力も昨年のような額は望めない。経営的には厳しい中で運営していかなければならないというのは事実。いろんな意味において、カターレ富山はよいチームだね、また応援してあげたいね、と言ってもらえるところに再びもっていかないと、収入は少なくなっていくだろうと危惧している。いろんな意味で頑張っていかなければならないと思っている。
以上
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