第14節 富山×長野 マッチレポート■J参入初年の無失点記録13年ぶり更新
- 2022/06/26
- 19:29
【第14節 富山1―0長野 ▽得点者:前半13分・吉平(富)】
※ハイライト映像(J公式サイト)
長野を1-0で下し、前節で並んでいた3年前の5連勝、13年前の4試合連続無失点の記録をともに塗り替えた。今節も相手に主導権を握られる時間が長かったが、勝利を重ねながら守りの耐久性が上がっており、長野に決定機を与えなかった。
最近の試合では一番と言ってもよいぐらいの立ち上がりだった。「長野は勢いのあるチーム。負けないように自分たちから勢いを出していこうとした」(MF碓井鉄平)という。連動したプレスでボールを回収しては攻め込む好循環ができ、7分にMFアルトゥール・シルバのヘディングシュート、9分にDF林堂眞のFKでゴールを脅かす。球際で競り合い、倒れても起き上がって前に前にボールを運ぼうとするエネルギッシュなプレーがチームの充実ぶりを物語っていた。
流れを引き寄せたこの時間帯に先取点が挙がったのが大きい。13分、自陣左サイドでのボール奪取からシルバがドリブルで運んで右のFW吉平翼へ送る。思い切りよく放ったミドルシュートが相手DFにわずかに当たってコースが変わりゴール右隅に弾んだ。吉平はこの試合に向け、「守備を期待されて起用されているのは自覚しているが、FWとして得点で貢献したい」との思いを強くしていたという。強気の選択が得点につながった。
その後、雷雨によって20分で時計が止まり、77分間の中断を挟んだ。もし得点が生まれていなければ開始からの好パフォーマンスは徒労に終わっていたかもしれない。案の定、長野は中断を利用して戦い方を修正して巻き返した。手数をかけて後ろでボールを動かし、カターレの守備網を揺さぶりにかかった。
しかし、カターレの守りが堅かった。長野は[4-2-3-1]の前線と中盤が流動的なポジションを取りながら攻略を狙ったが、守備ブロックを中央からこじ開けるほどの力はまだ付き切っていないようだ。外からのクロスやMF宮阪政樹がキッカーを務めるセットプレーに望みをかけたが、カターレにはね返された。
カターレは5-4のブロックから飛び出してボールホルダーにしっかり寄せる足を使った守りを最後まで継続。クロスやシュートには、足先を伸ばし、体を投げ出して抵抗した。林堂によると、DF陣はその間にも敵のクロスボールとゴール前の選手をどちらも捕捉できる体の向きなどを互いに声に出して確認し合っていたという。一つひとつのプレーを油断なく積み重ね、今回もゴールを許さなかった。
5試合連続無失点はJ3記録でも3位タイにランキングされる。
これまでのクラブ記録はJリーグ参入初年の2009年J2第10~13節にマークされたものだ。4月26日の第10節、香川真司、乾貴士、柿谷曜一朗らを擁するC大阪とホームで対戦し、GK中川雄二らの好守などもあって0-0で引き分けた。雨の中でのゲームだった。これをきっかけにゴールデンウイーク中に岐阜、栃木、熊本を完封して3連勝した。18クラブ中13位だったこのシーズンで最高位の8位まで浮上した記憶に残る春だった。
それ以降は「3試合連続」が4度(11、12年に各1度、19年に2度)あったが、5度目にしてようやく並び、更新に成功した。無失点の継続はそれほど難しく、確かな実力の証しだ。自信を深めて次節の福島戦へ駒を進める。
※2008、09年に在籍したレジェンドメンバーのひとり、松下和磨さんの学生時代のエピソードが6月26日付け朝日新聞(富山県内に出回っている大阪本社版)の社会面コラム「窓」で紹介されています。松下さんは文中で触れた4試合連続無失点時の栃木戦で得点を決めた選手でもあります。ぜひ御一読ください。
※ハイライト映像(J公式サイト)
長野を1-0で下し、前節で並んでいた3年前の5連勝、13年前の4試合連続無失点の記録をともに塗り替えた。今節も相手に主導権を握られる時間が長かったが、勝利を重ねながら守りの耐久性が上がっており、長野に決定機を与えなかった。
最近の試合では一番と言ってもよいぐらいの立ち上がりだった。「長野は勢いのあるチーム。負けないように自分たちから勢いを出していこうとした」(MF碓井鉄平)という。連動したプレスでボールを回収しては攻め込む好循環ができ、7分にMFアルトゥール・シルバのヘディングシュート、9分にDF林堂眞のFKでゴールを脅かす。球際で競り合い、倒れても起き上がって前に前にボールを運ぼうとするエネルギッシュなプレーがチームの充実ぶりを物語っていた。
流れを引き寄せたこの時間帯に先取点が挙がったのが大きい。13分、自陣左サイドでのボール奪取からシルバがドリブルで運んで右のFW吉平翼へ送る。思い切りよく放ったミドルシュートが相手DFにわずかに当たってコースが変わりゴール右隅に弾んだ。吉平はこの試合に向け、「守備を期待されて起用されているのは自覚しているが、FWとして得点で貢献したい」との思いを強くしていたという。強気の選択が得点につながった。
その後、雷雨によって20分で時計が止まり、77分間の中断を挟んだ。もし得点が生まれていなければ開始からの好パフォーマンスは徒労に終わっていたかもしれない。案の定、長野は中断を利用して戦い方を修正して巻き返した。手数をかけて後ろでボールを動かし、カターレの守備網を揺さぶりにかかった。
しかし、カターレの守りが堅かった。長野は[4-2-3-1]の前線と中盤が流動的なポジションを取りながら攻略を狙ったが、守備ブロックを中央からこじ開けるほどの力はまだ付き切っていないようだ。外からのクロスやMF宮阪政樹がキッカーを務めるセットプレーに望みをかけたが、カターレにはね返された。
カターレは5-4のブロックから飛び出してボールホルダーにしっかり寄せる足を使った守りを最後まで継続。クロスやシュートには、足先を伸ばし、体を投げ出して抵抗した。林堂によると、DF陣はその間にも敵のクロスボールとゴール前の選手をどちらも捕捉できる体の向きなどを互いに声に出して確認し合っていたという。一つひとつのプレーを油断なく積み重ね、今回もゴールを許さなかった。
5試合連続無失点はJ3記録でも3位タイにランキングされる。
これまでのクラブ記録はJリーグ参入初年の2009年J2第10~13節にマークされたものだ。4月26日の第10節、香川真司、乾貴士、柿谷曜一朗らを擁するC大阪とホームで対戦し、GK中川雄二らの好守などもあって0-0で引き分けた。雨の中でのゲームだった。これをきっかけにゴールデンウイーク中に岐阜、栃木、熊本を完封して3連勝した。18クラブ中13位だったこのシーズンで最高位の8位まで浮上した記憶に残る春だった。
それ以降は「3試合連続」が4度(11、12年に各1度、19年に2度)あったが、5度目にしてようやく並び、更新に成功した。無失点の継続はそれほど難しく、確かな実力の証しだ。自信を深めて次節の福島戦へ駒を進める。
※2008、09年に在籍したレジェンドメンバーのひとり、松下和磨さんの学生時代のエピソードが6月26日付け朝日新聞(富山県内に出回っている大阪本社版)の社会面コラム「窓」で紹介されています。松下さんは文中で触れた4試合連続無失点時の栃木戦で得点を決めた選手でもあります。ぜひ御一読ください。
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