第9節 富山×YS横浜 マッチレポート■セットプレーでゴール重ね圧勝
- 2022/05/16
- 12:25
【第9節 富山5―1YS横浜 ▽得点者:前半7分・鹿山(富)、同10分・林堂(富)、後半6分・川西(富)、同11分・林(Y)、同13分・川西(富)、同37分・シルバ(富)】
※ハイライト映像(J公式サイト)
セットプレーの得点力が光り5得点を挙げて快勝した。
1試合5得点はクラブ史上最多タイで2019年9月29日のJ3第24節・鳥取戦(5○0)以来でJFL時代の2度を含め5度目。FW川西翔太は2得点を挙げて3試合連続得点をマーク。個人の3試合連続得点もJリーグでのクラブ史上最長タイで前嶋洋太が18年J3第29~31節に記録して以来で5度目の5人目(このほか朝日大輔が11年J2第27~29節、苔口卓也が11年J2第32、7、33節、白崎凌兵が13年J2第37~39節)。
先週の県選手権決勝に先発したMF大山武蔵、DF神山京右、GK山田元気がスタメンをつかみ、MF松本雄真がこれまでの右ウイングバックから開幕戦以来となるシャドウでプレーした。この起用がいきなり得点に結びつく。開始7分、神山の縦パスで攻め込んだ松本が得た右CKから、神山がニアで触って流れたボールにDF鹿山拓真が飛び込んで決めた。
松本は前半27分にも川西にラストパスを供給してチャンスをつくるなど存在感を発揮。大山も右サイドで縦へのスピード&推進力を示して、布陣変更による新味が感じられた。
次に魅せたのはDF林堂眞。先取点の余韻が残る前半10分、ゴール前中央からのFKを直接決めて追加点を挙げた。ボールがYS横浜の壁のジャンプが遅れた個所を越え、ワンバウンドしてゴール左隅に決まった。
その後はYS横浜のパスワークに苦しみ、前半はシュート6本を浴び(カターレ4本)、CKも5本与えた(同5本)。同40分、YS横浜の右CKにニアでDF土館賢人が頭で合わせたシュートが決まりかけたが、カターレのMF碓井鉄平がゴール寸前でへデングでクリア。4試合連続して無得点だったYS横浜にここでゴールが挙がっていたら…。彼らが勢いづくのを阻んだ大きなプレーだった。
さらにハーフタイムを挟んで後半立ち上がりの6分、カターレは再びCKから3点目を挙げて相手の戦意をくじいた。ゴールマウスでつくった密集から遠ざかりながら林堂が左CKに合わせ、ファーに飛んだボールを川西が流し込んだ。
YS横浜は後半11分、DF宗近慧の縦パスを受けたMF古宿理久が裏に抜けてスピードに乗りながら中央のスペースに正確なグランダーのクロスを入れ、走り込んだFW林友哉がワンタッチで蹴り込み1点を返した。
5試合ぶりの今季チーム3点目を弾みにしたかったYS横浜だったが、直後にカターレが4点目を奪って逆に突き放した。カターレの石﨑信弘監督は「前半はうちの左サイドで起点をつくられたが、後半はサイドチェンジされても勇気をもってアプローチにいくように伝えた。安藤(由翔)と鹿山が連動してスライドすることで高い位置でボールが奪えるようになった」と言う。安藤の敵陣でのボール奪取が起点となり、FW吉平翼を経由して最後は川西がDFと駆け引きしながら股を通す技ありのシュートを決めた。
後半37分には安藤のクロスから途中出場のMFアルトゥール・シルバがヘデングシュートで5点目を奪った。
YS横浜は2試合連続の大量失点で7連敗となり、クラブワーストの開幕8戦勝ちなし。試合後、応援に駆け付けた10人ほどのサポーターにゴール裏で頭を下げると、しばらく両手をひざについたままの選手もいてショックの大きさがうかがえる。試合終了直前にDFラインを統率するキャプテンの土館がこの日2度目の警告で退場になり、中3日で行われる第7節・相模原戦には出場できない。
勝てないことによる自信のなさや不安感が少しずつ積み重なってプレーに影響を与えているようだ。ボールロストを怖がらずにパスを出し、受けるという繰り返しが求められるパスサッカーに徹しようとしているぶん、なおさらかもしれない。14年にJ3が創設された当時から主力としてプレーするMF吉田明生は「まじめな選手ばかりで、ひた向きに頑張っている。なんとかして光を見いだしたい」と語る。
小中学生の街クラブにルーツを持つYS横浜はJ3、そしてこの日開始から30年目を迎えたJリーグの多様性を象徴するクラブのひとつだ。昨季は開幕7戦勝ちなし(3分4敗)と苦しんだが、後半にかけて勝点を伸ばしてクラブ新記録の4連勝&9戦負けなしで過去最高の8位に食い込んでいる。J3をともに盛り上げる存在として復調が待たれる。
※ハイライト映像(J公式サイト)
セットプレーの得点力が光り5得点を挙げて快勝した。
1試合5得点はクラブ史上最多タイで2019年9月29日のJ3第24節・鳥取戦(5○0)以来でJFL時代の2度を含め5度目。FW川西翔太は2得点を挙げて3試合連続得点をマーク。個人の3試合連続得点もJリーグでのクラブ史上最長タイで前嶋洋太が18年J3第29~31節に記録して以来で5度目の5人目(このほか朝日大輔が11年J2第27~29節、苔口卓也が11年J2第32、7、33節、白崎凌兵が13年J2第37~39節)。
先週の県選手権決勝に先発したMF大山武蔵、DF神山京右、GK山田元気がスタメンをつかみ、MF松本雄真がこれまでの右ウイングバックから開幕戦以来となるシャドウでプレーした。この起用がいきなり得点に結びつく。開始7分、神山の縦パスで攻め込んだ松本が得た右CKから、神山がニアで触って流れたボールにDF鹿山拓真が飛び込んで決めた。
松本は前半27分にも川西にラストパスを供給してチャンスをつくるなど存在感を発揮。大山も右サイドで縦へのスピード&推進力を示して、布陣変更による新味が感じられた。
次に魅せたのはDF林堂眞。先取点の余韻が残る前半10分、ゴール前中央からのFKを直接決めて追加点を挙げた。ボールがYS横浜の壁のジャンプが遅れた個所を越え、ワンバウンドしてゴール左隅に決まった。
その後はYS横浜のパスワークに苦しみ、前半はシュート6本を浴び(カターレ4本)、CKも5本与えた(同5本)。同40分、YS横浜の右CKにニアでDF土館賢人が頭で合わせたシュートが決まりかけたが、カターレのMF碓井鉄平がゴール寸前でへデングでクリア。4試合連続して無得点だったYS横浜にここでゴールが挙がっていたら…。彼らが勢いづくのを阻んだ大きなプレーだった。
さらにハーフタイムを挟んで後半立ち上がりの6分、カターレは再びCKから3点目を挙げて相手の戦意をくじいた。ゴールマウスでつくった密集から遠ざかりながら林堂が左CKに合わせ、ファーに飛んだボールを川西が流し込んだ。
YS横浜は後半11分、DF宗近慧の縦パスを受けたMF古宿理久が裏に抜けてスピードに乗りながら中央のスペースに正確なグランダーのクロスを入れ、走り込んだFW林友哉がワンタッチで蹴り込み1点を返した。
5試合ぶりの今季チーム3点目を弾みにしたかったYS横浜だったが、直後にカターレが4点目を奪って逆に突き放した。カターレの石﨑信弘監督は「前半はうちの左サイドで起点をつくられたが、後半はサイドチェンジされても勇気をもってアプローチにいくように伝えた。安藤(由翔)と鹿山が連動してスライドすることで高い位置でボールが奪えるようになった」と言う。安藤の敵陣でのボール奪取が起点となり、FW吉平翼を経由して最後は川西がDFと駆け引きしながら股を通す技ありのシュートを決めた。
後半37分には安藤のクロスから途中出場のMFアルトゥール・シルバがヘデングシュートで5点目を奪った。
YS横浜は2試合連続の大量失点で7連敗となり、クラブワーストの開幕8戦勝ちなし。試合後、応援に駆け付けた10人ほどのサポーターにゴール裏で頭を下げると、しばらく両手をひざについたままの選手もいてショックの大きさがうかがえる。試合終了直前にDFラインを統率するキャプテンの土館がこの日2度目の警告で退場になり、中3日で行われる第7節・相模原戦には出場できない。
勝てないことによる自信のなさや不安感が少しずつ積み重なってプレーに影響を与えているようだ。ボールロストを怖がらずにパスを出し、受けるという繰り返しが求められるパスサッカーに徹しようとしているぶん、なおさらかもしれない。14年にJ3が創設された当時から主力としてプレーするMF吉田明生は「まじめな選手ばかりで、ひた向きに頑張っている。なんとかして光を見いだしたい」と語る。
小中学生の街クラブにルーツを持つYS横浜はJ3、そしてこの日開始から30年目を迎えたJリーグの多様性を象徴するクラブのひとつだ。昨季は開幕7戦勝ちなし(3分4敗)と苦しんだが、後半にかけて勝点を伸ばしてクラブ新記録の4連勝&9戦負けなしで過去最高の8位に食い込んでいる。J3をともに盛り上げる存在として復調が待たれる。
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