第25節 富山×YS横浜 マッチレポート■僅差で屈し今季初の連敗
- 2021/10/31
- 10:09
【第25節 富山0―1YS横浜 ▽得点者:後半16分・船橋(Y)】
※ハイライト映像(J公式サイト)
攻め切れず今季3度目の無得点で敗れて今季初の2連敗となった。YS横浜はこれがカターレからの初勝利。3連勝で連続負けなしをクラブ新記録の8試合に伸ばした。
YS横浜は前節に[3-1-4-2]だったフォーメーションを[3-4-1-2]に変えていた。トップ下にMF菊谷篤資を置き、カターレのアンカー末木裕也を見張らせる狙いがあったようだ。攻めに転じるとカターレのサイドのスペースにボールを送り、FWンドカ・チャールスのスピードとパワーで起点をつくろうとする場面が多かった。
開始から球際で激しくぶつかり合う展開。プレーが止まってから双方の選手が小競り合いになるシーンが何度もあった。ともにレフェリングに対する苛々もあったようだ。「プレーがすぐに止められてしまって、サッカーの流れ、リズムがつくりづらかった。選手がスムーズにプレーできるようにお願いしたい」とGK西部洋平は振り返っている。
カターレがやや押し気味に進め、FW吉平翼やMF姫野宥弥の裏への走り込みにロングパスを合わせて好機をつくった。だが、12分にDF柳下大樹が左ひざを痛めて交代するアクシデントが発生。すぐに担架で運び出されておりケガの状況が気掛かりだ。
YS横浜もンドカを中心に攻撃機会をつくって交互に攻め合うが、ともに守りの集中力も高かった。前半のシュートはカターレ3本、YS横浜2本。いずれも遠目から狙ったもので大きなチャンスもピンチもなく0-0で折り返した。
後半に入りYS横浜がカターレ陣でボールを奪うシーンを立て続けにつくった。試合後の菊谷の話を聞くに、前半の状況を踏まえてプレッシャーのかけ方を微調整したようだ。機をみて一気に襲い掛かって、奪い切っており「勇気をもってできた」と言う。
これが後半16分の先制点にもつながった。ピンチをしのいだカターレが自陣から速く攻めようとした場面だ。末木へのパスを予測して菊谷と船橋勇真が2人がかりでボールを奪ってショートカウンターを発動。4対3の状況をつくって最後は船橋が右から放った「少し強めのシュートっぽいパス」がそのままゴールイン。逆サイドから勢いよくGKの前に走り込んでボールに合わせに行ったMF柳雄太郎の働きが光った。
カターレは同22分、パスワークで左から抜けたMF安藤由翔がそのままえぐってクロスを供給。FW大野耀平が合わせるがGKに防がれ、こぼれ球に飛び込んだMF椎名伸志のヘディングシュートも相手DFに阻まれた。
飲水タイムを挟んで攻勢を強めたかったカターレだが、その後は守りを固める相手に対して効果的な攻めを繰り出せない。逆にカウンターを食らってゴールを脅かされた。最後はパワープレーに頼ったがゴールを奪えずにタイムアップとなった。
焦点だったセットプレーの攻防でカターレは得点を挙げられなかった。FKに対しYS横浜はDFラインを高く引いて守る。自ゴールから敵を遠ざけるのが主なメリットで、カターレも安間貴義監督が率いた一時期に採り入れていた。想定して攻略法を練っていたが、はまらなかった。裏に入れたボールに対する相手の反応が素早くて先に触ることが難しかったようだ。椎名は「大外の選手しか間に合わない状況で厚みは少し欠けた」と話していた。
終了の笛が鳴るとYS横浜はピッチとベンチに分かれ選手・スタッフが抱き合って喜んだ。この試合にかける思いが強かったのだろう。スリーバックの中央でプレーしたDF宗近慧は加入7年目のクラブ生え抜きで、カターレに3-0から逆転負けを喫した2016年と20年のホームゲームにも出場していた。うれしさはひとしおだっただろう。
カターレはこの連敗で昇格争いにおける立ち位置が定まった。上位を追い掛けるチャレンジャーとして残り5試合に突入する。クライマックスはこれからだ。
後半戦が始まる際に聞いた石﨑信弘監督の言葉を再掲したい。
「わしが指揮して昇格を争ったチームは、上がれた時も、上がれなかった時も決まったのはすべて最終戦だった。今年も最終戦で決まるじゃろう。その前に抜け出して昇格を決められるほど力のあるチームはないと思う。たとえどこかで負けたとしても目標を忘れずに最後まで戦い抜かなければいけない。サッカーは最後まで何があるか分からない」
【J3上位今後の対戦相手】
▽第26節以降~(残り5節)
1熊本46岩富横宮岐
2宮崎44讃岐富熊*
3岩手42熊横讃富沼
4富山41岐熊宮岩鹿
5福島40今長*横讃
6岐阜37富宮八藤熊
7鹿児35八今藤長富
8横浜34沼岩熊福藤
※ハイライト映像(J公式サイト)
攻め切れず今季3度目の無得点で敗れて今季初の2連敗となった。YS横浜はこれがカターレからの初勝利。3連勝で連続負けなしをクラブ新記録の8試合に伸ばした。
YS横浜は前節に[3-1-4-2]だったフォーメーションを[3-4-1-2]に変えていた。トップ下にMF菊谷篤資を置き、カターレのアンカー末木裕也を見張らせる狙いがあったようだ。攻めに転じるとカターレのサイドのスペースにボールを送り、FWンドカ・チャールスのスピードとパワーで起点をつくろうとする場面が多かった。
開始から球際で激しくぶつかり合う展開。プレーが止まってから双方の選手が小競り合いになるシーンが何度もあった。ともにレフェリングに対する苛々もあったようだ。「プレーがすぐに止められてしまって、サッカーの流れ、リズムがつくりづらかった。選手がスムーズにプレーできるようにお願いしたい」とGK西部洋平は振り返っている。
カターレがやや押し気味に進め、FW吉平翼やMF姫野宥弥の裏への走り込みにロングパスを合わせて好機をつくった。だが、12分にDF柳下大樹が左ひざを痛めて交代するアクシデントが発生。すぐに担架で運び出されておりケガの状況が気掛かりだ。
YS横浜もンドカを中心に攻撃機会をつくって交互に攻め合うが、ともに守りの集中力も高かった。前半のシュートはカターレ3本、YS横浜2本。いずれも遠目から狙ったもので大きなチャンスもピンチもなく0-0で折り返した。
後半に入りYS横浜がカターレ陣でボールを奪うシーンを立て続けにつくった。試合後の菊谷の話を聞くに、前半の状況を踏まえてプレッシャーのかけ方を微調整したようだ。機をみて一気に襲い掛かって、奪い切っており「勇気をもってできた」と言う。
これが後半16分の先制点にもつながった。ピンチをしのいだカターレが自陣から速く攻めようとした場面だ。末木へのパスを予測して菊谷と船橋勇真が2人がかりでボールを奪ってショートカウンターを発動。4対3の状況をつくって最後は船橋が右から放った「少し強めのシュートっぽいパス」がそのままゴールイン。逆サイドから勢いよくGKの前に走り込んでボールに合わせに行ったMF柳雄太郎の働きが光った。
カターレは同22分、パスワークで左から抜けたMF安藤由翔がそのままえぐってクロスを供給。FW大野耀平が合わせるがGKに防がれ、こぼれ球に飛び込んだMF椎名伸志のヘディングシュートも相手DFに阻まれた。
飲水タイムを挟んで攻勢を強めたかったカターレだが、その後は守りを固める相手に対して効果的な攻めを繰り出せない。逆にカウンターを食らってゴールを脅かされた。最後はパワープレーに頼ったがゴールを奪えずにタイムアップとなった。
焦点だったセットプレーの攻防でカターレは得点を挙げられなかった。FKに対しYS横浜はDFラインを高く引いて守る。自ゴールから敵を遠ざけるのが主なメリットで、カターレも安間貴義監督が率いた一時期に採り入れていた。想定して攻略法を練っていたが、はまらなかった。裏に入れたボールに対する相手の反応が素早くて先に触ることが難しかったようだ。椎名は「大外の選手しか間に合わない状況で厚みは少し欠けた」と話していた。
終了の笛が鳴るとYS横浜はピッチとベンチに分かれ選手・スタッフが抱き合って喜んだ。この試合にかける思いが強かったのだろう。スリーバックの中央でプレーしたDF宗近慧は加入7年目のクラブ生え抜きで、カターレに3-0から逆転負けを喫した2016年と20年のホームゲームにも出場していた。うれしさはひとしおだっただろう。
カターレはこの連敗で昇格争いにおける立ち位置が定まった。上位を追い掛けるチャレンジャーとして残り5試合に突入する。クライマックスはこれからだ。
後半戦が始まる際に聞いた石﨑信弘監督の言葉を再掲したい。
「わしが指揮して昇格を争ったチームは、上がれた時も、上がれなかった時も決まったのはすべて最終戦だった。今年も最終戦で決まるじゃろう。その前に抜け出して昇格を決められるほど力のあるチームはないと思う。たとえどこかで負けたとしても目標を忘れずに最後まで戦い抜かなければいけない。サッカーは最後まで何があるか分からない」
【J3上位今後の対戦相手】
▽第26節以降~(残り5節)
1熊本46岩富横宮岐
2宮崎44讃岐富熊*
3岩手42熊横讃富沼
4富山41岐熊宮岩鹿
5福島40今長*横讃
6岐阜37富宮八藤熊
7鹿児35八今藤長富
8横浜34沼岩熊福藤
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