【第15節vs鹿児島プレビュー】首位ターン目指し強敵に挑む
- 2021/07/09
- 14:14
アウェイの鹿児島戦でリーグ前半を締めくくる。この後は7週間の中断に入り、後半戦のスタートは8月28日の藤枝戦まで待たなければならない。勝点25で並んでいる首位の岐阜は今節試合がない。勝って先頭で折り返したい。
鹿児島が難敵なのはご存知の通り。一昨年はJ2で戦い、苦しんだ昨季もラスト5戦を全勝して3位・長野に次ぐ4位で終えた。昨季まで2年指揮した金鐘成監督(現鳥取監督)のもと鍛えた攻撃的なパスサッカーをベースにして今季もチーム力はJ3屈指だ。
今季から就任した前横浜FMヘッドコーチでオーストラリア出身のアーサー・パパス監督が家庭の事情として第8節後の5月28日に退任。その後は2016年にカターレで三浦泰年監督のもとヘッドコーチを務めた大島康明ヘッドコーチが暫定的に6試合指揮を執った。前節はカターレが1-1で引き分けた今治を終了直前のFW薗田卓馬の逆転弾によって2-1で下している。現在5勝3分5敗の9位。巻き返しを期して今節は今季初の2連勝を狙っている。
鹿児島は前節後の7月4日、JFLのヴィアティン三重の監督を6月21日に退任したばかりの上野展裕氏が監督に就任すると発表した。今節から采配を振る。
上野氏と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、カターレが初めてJ3で戦った15年に率いていた山口の圧倒的な強さだ。初めて対戦したアウェイゲーム、カターレのプレスを軽々と外してゴールに迫る、まさに流れるようなパスワークに驚かされた。この年がJ3昇格初年だった山口は今もリーグ記録として残る1試合平均2.67点を叩き出し、優勝してJ2に昇格した。上野監督が在任した14年からの4年でクラブはJFL、J3をともに1年で通過し、16年のJ2でも攻撃的なパスサッカーで存在感を放った。この間に現カターレコーチの山根巌、平井直人の両名もコーチとして仕事をともにしている。09-11年にはツエーゲン金沢を北信越リーグからJFLに導いている。
今回の人事は、ポゼッションスタイルで高みを目指すという鹿児島の揺るがぬ意志を示すものだ。パスサッカーのベースがあるだけに、上野監督がどんなエッセンスを加えてチームを活性化させるのか楽しみだ。
データスタジアム社がJリーグのデータを公開しているサイト「Football LAB」によると、鹿児島の今季のボール支配率は60.2%とリーグ内でも突出(カターレ53.3%)。自陣だけでなく、高い位置でもボールを保持してコンビネーションをつかって崩しにかかる。それと同等に警戒すべきなのが、FW米澤令衣が絡むロングカウンター。[4-2-3-1]のトップ下に入るベテラン酒本憲幸がボールを収めて米澤が裏に抜けるパターンは昨季からの十八番だ。カターレから移籍して4年目になるFW萱沼優聖と、レフティーのFW五領淳樹がキッカーを務めるセットプレーも多彩。総得点15はカターレの20を下回っているが、その攻撃力は数字以上とみたほうがよい。
一方、総失点15はカターレの14と同水準。だがこちらは被シュートがリーグ14位の132本(カターレ89本)と多い。前節の今治戦も失点シーン以外にも何度か危ない場面があった。90分あればカターレにも付け入る隙があるだろう。
データ的には点の取り合いも想定され、カターレはたとえ失点しても奪い返す反発力をみせなければならない。
ただ、石﨑信弘監督は乱打戦を好まない。対戦相手がボールをつなぐのがうまく、フォーメーションのミスマッチも生じる今回は、そのミスマッチに攻守にわたりどう対処するかがポイントになると言い、守備面では「わしはボールを持たれることをなんとも思わない。相手に持たせている感覚で慌てずに対応すればよい」といつものフレーズを口にした。相手にボールを握られた時の守りは天皇杯・浦和戦や第11節・熊本戦で監督が挙げた課題であり、チームの進歩が改めて問われる。
※Jリーグ公式サイトに見どころが掲載されています。
https://www.jleague.jp/match/j3/2021/071006/preview/#preview
鹿児島が難敵なのはご存知の通り。一昨年はJ2で戦い、苦しんだ昨季もラスト5戦を全勝して3位・長野に次ぐ4位で終えた。昨季まで2年指揮した金鐘成監督(現鳥取監督)のもと鍛えた攻撃的なパスサッカーをベースにして今季もチーム力はJ3屈指だ。
今季から就任した前横浜FMヘッドコーチでオーストラリア出身のアーサー・パパス監督が家庭の事情として第8節後の5月28日に退任。その後は2016年にカターレで三浦泰年監督のもとヘッドコーチを務めた大島康明ヘッドコーチが暫定的に6試合指揮を執った。前節はカターレが1-1で引き分けた今治を終了直前のFW薗田卓馬の逆転弾によって2-1で下している。現在5勝3分5敗の9位。巻き返しを期して今節は今季初の2連勝を狙っている。
鹿児島は前節後の7月4日、JFLのヴィアティン三重の監督を6月21日に退任したばかりの上野展裕氏が監督に就任すると発表した。今節から采配を振る。
上野氏と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、カターレが初めてJ3で戦った15年に率いていた山口の圧倒的な強さだ。初めて対戦したアウェイゲーム、カターレのプレスを軽々と外してゴールに迫る、まさに流れるようなパスワークに驚かされた。この年がJ3昇格初年だった山口は今もリーグ記録として残る1試合平均2.67点を叩き出し、優勝してJ2に昇格した。上野監督が在任した14年からの4年でクラブはJFL、J3をともに1年で通過し、16年のJ2でも攻撃的なパスサッカーで存在感を放った。この間に現カターレコーチの山根巌、平井直人の両名もコーチとして仕事をともにしている。09-11年にはツエーゲン金沢を北信越リーグからJFLに導いている。
今回の人事は、ポゼッションスタイルで高みを目指すという鹿児島の揺るがぬ意志を示すものだ。パスサッカーのベースがあるだけに、上野監督がどんなエッセンスを加えてチームを活性化させるのか楽しみだ。
データスタジアム社がJリーグのデータを公開しているサイト「Football LAB」によると、鹿児島の今季のボール支配率は60.2%とリーグ内でも突出(カターレ53.3%)。自陣だけでなく、高い位置でもボールを保持してコンビネーションをつかって崩しにかかる。それと同等に警戒すべきなのが、FW米澤令衣が絡むロングカウンター。[4-2-3-1]のトップ下に入るベテラン酒本憲幸がボールを収めて米澤が裏に抜けるパターンは昨季からの十八番だ。カターレから移籍して4年目になるFW萱沼優聖と、レフティーのFW五領淳樹がキッカーを務めるセットプレーも多彩。総得点15はカターレの20を下回っているが、その攻撃力は数字以上とみたほうがよい。
一方、総失点15はカターレの14と同水準。だがこちらは被シュートがリーグ14位の132本(カターレ89本)と多い。前節の今治戦も失点シーン以外にも何度か危ない場面があった。90分あればカターレにも付け入る隙があるだろう。
データ的には点の取り合いも想定され、カターレはたとえ失点しても奪い返す反発力をみせなければならない。
ただ、石﨑信弘監督は乱打戦を好まない。対戦相手がボールをつなぐのがうまく、フォーメーションのミスマッチも生じる今回は、そのミスマッチに攻守にわたりどう対処するかがポイントになると言い、守備面では「わしはボールを持たれることをなんとも思わない。相手に持たせている感覚で慌てずに対応すればよい」といつものフレーズを口にした。相手にボールを握られた時の守りは天皇杯・浦和戦や第11節・熊本戦で監督が挙げた課題であり、チームの進歩が改めて問われる。
※Jリーグ公式サイトに見どころが掲載されています。
https://www.jleague.jp/match/j3/2021/071006/preview/#preview
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