第31節 富山×讃岐 マッチレポート■4連勝。要所を押さえ勝ち切る
- 2020/12/06
- 09:01
【第31節 富山2―0讃岐 ▽得点者:前半2分・武、後半19分・宮城(以上富)】
※ハイライト映像(J公式サイト)
讃岐がキックオフで下げたボールにカターレはFWの武颯と大野耀平が猛然とプレッシャーをかけ、武が相手のキックをブロックする。土壇場で逆転勝ちした先週の勢いをこのゲームに持ち込もうとする意図があったのだろうか。この試合にかけるチームの強い気持ちも示すかのようなプレーでゲームが始まった。
集中力も高かったのだろう。開始1分50秒で最初の決定機を武がモノにして先制点が挙がった。自陣右の深い位置から相手のパスミスを拾ってDF馬渡隼暉の縦パスでロングカウンターを発動。ボールを受けて右サイドを走った大野が中央を駆け上がる武にスルーパスを通し、武が讃岐GK服部一輝との1対1を制して決め切った。
讃岐のGK服部は明治大を卒業後にカターレでプロとしてスタートして2017-18年に在籍。リーグ戦出場がないまま讃岐に移籍したが今季J3デビューを果たし、県総に戻ってきた。前半19分、味方の自陣でのパスミスによるピンチにペナルティーエリアから鋭く飛び出して対処しチームを救った。
このプレーを起点に30分半ばまで讃岐がペースを握った。丁寧にパスをつないで攻略を試み、22分にワンツーでMF薩川淳貴がゴールに迫る。直後には左ウイングバック森川裕基が左サイドに抜け、マイナス方向のグラウンダーのクロスに薩川が走り込む。カターレはしっかりついていたMF末木裕也がシュートをブロックして得点を許さなかった。
[3-3-2-2]のフォーメーションの讃岐は2列目の薩川と池谷友喜、FW重松健太郎が流動的に走り回った。カターレは対応に苦労したが、讃岐の勝負パスの精度の低さにも助けられてリードを保って前半を終えた。
カターレはハーフタイムに守りを修正して流れを引き戻し、後半は立ち上がりからチャンスをつくる。同7分にMF稲葉修土、同14分にFW宮城天とFW平松宗を入れる早めの交代策も当たり、同19分に稲葉、武、平松、宮城とボールが渡って追加点が挙がった。平松が相手選手を引きつけながら体を張って右サイドの宮城に出し、宮城は前節の武の同点ゴールと同じように角度のあまりない位置からファーに流し込んだ。
その後はパスを回して相手をいなし、3点目をうかがいながら時計を進める落ち着いたゲーム運びが光った。同41分に讃岐が重松からのスルーパスで決定機をつくり、途中出場のFW栗田マークアジェイがフリーでゴール右から狙ったが、カターレはGK齋藤和希が左足でセーブして無失点で今季初の4連勝を飾った。
試合後に讃岐の望月一仁監督は「明らかに富山のほうがゴールに向かう迫力が上だった」「仕掛けるにはしっかり状況を把握し、落ち着いて判断しないといけない。明らかに富山の選手のほうが、落ち着いて、しっかり見て、判断していた」と話し、薩川は「相手のほうが1枚も2枚も上手だったと思う。完敗だった」と振り返った。
讃岐のプレーからも今季の取り組みの成果が感じられ、若手を中心に据えたチーム再建が少しずつ進んでいるようだ。力の差は紙一重だった。しかし、望月監督の「1失点目も2失点目も、もっと相手に寄せ切らないとGKと協力して守ることができない」との指摘が象徴するように、球際やボールへの執着心、ひいては勝利への欲望には差があったかもしれない。負けられないシチュエーションで接戦を重ねながらカターレはたくましさを増している。シーズンの最終盤まで昇格を争うことの価値を改めて感じさせる。MF椎名伸志は試合後、「目の前の試合に全力を注ぐことしか考えておらず、昇格できるかどうかというところまで考えが及んでいない。勝ち続けてシーズンを終えられたらよいし、昇格はその結果としてついてくるものだと思う」と話した。
長いリーグ戦がハイライトを迎えようとしている。結末は分からない。残り3試合を存分に満喫しよう。
◇J3上位の第32節以降の対戦(赤字は直接対決)
1秋田71 鳥相 鹿 +40
2長野55 G岐 岩 +20
3相模54 沼秋 今 +6
4岐阜52 八長 G +11
5富山50 熊今 沼 +13
6鳥取50 秋福 熊 +8
7今治49 岩富 相 +9
8鹿児49 YG 秋 +6
9熊本48 富讃 鳥 +6
10藤枝43 福八 Y +1
※第31~33節は3連戦
(第31節終了時。順位、クラブ名、勝点、今後の対戦順、得失点差)
※ハイライト映像(J公式サイト)
讃岐がキックオフで下げたボールにカターレはFWの武颯と大野耀平が猛然とプレッシャーをかけ、武が相手のキックをブロックする。土壇場で逆転勝ちした先週の勢いをこのゲームに持ち込もうとする意図があったのだろうか。この試合にかけるチームの強い気持ちも示すかのようなプレーでゲームが始まった。
集中力も高かったのだろう。開始1分50秒で最初の決定機を武がモノにして先制点が挙がった。自陣右の深い位置から相手のパスミスを拾ってDF馬渡隼暉の縦パスでロングカウンターを発動。ボールを受けて右サイドを走った大野が中央を駆け上がる武にスルーパスを通し、武が讃岐GK服部一輝との1対1を制して決め切った。
讃岐のGK服部は明治大を卒業後にカターレでプロとしてスタートして2017-18年に在籍。リーグ戦出場がないまま讃岐に移籍したが今季J3デビューを果たし、県総に戻ってきた。前半19分、味方の自陣でのパスミスによるピンチにペナルティーエリアから鋭く飛び出して対処しチームを救った。
このプレーを起点に30分半ばまで讃岐がペースを握った。丁寧にパスをつないで攻略を試み、22分にワンツーでMF薩川淳貴がゴールに迫る。直後には左ウイングバック森川裕基が左サイドに抜け、マイナス方向のグラウンダーのクロスに薩川が走り込む。カターレはしっかりついていたMF末木裕也がシュートをブロックして得点を許さなかった。
[3-3-2-2]のフォーメーションの讃岐は2列目の薩川と池谷友喜、FW重松健太郎が流動的に走り回った。カターレは対応に苦労したが、讃岐の勝負パスの精度の低さにも助けられてリードを保って前半を終えた。
カターレはハーフタイムに守りを修正して流れを引き戻し、後半は立ち上がりからチャンスをつくる。同7分にMF稲葉修土、同14分にFW宮城天とFW平松宗を入れる早めの交代策も当たり、同19分に稲葉、武、平松、宮城とボールが渡って追加点が挙がった。平松が相手選手を引きつけながら体を張って右サイドの宮城に出し、宮城は前節の武の同点ゴールと同じように角度のあまりない位置からファーに流し込んだ。
その後はパスを回して相手をいなし、3点目をうかがいながら時計を進める落ち着いたゲーム運びが光った。同41分に讃岐が重松からのスルーパスで決定機をつくり、途中出場のFW栗田マークアジェイがフリーでゴール右から狙ったが、カターレはGK齋藤和希が左足でセーブして無失点で今季初の4連勝を飾った。
試合後に讃岐の望月一仁監督は「明らかに富山のほうがゴールに向かう迫力が上だった」「仕掛けるにはしっかり状況を把握し、落ち着いて判断しないといけない。明らかに富山の選手のほうが、落ち着いて、しっかり見て、判断していた」と話し、薩川は「相手のほうが1枚も2枚も上手だったと思う。完敗だった」と振り返った。
讃岐のプレーからも今季の取り組みの成果が感じられ、若手を中心に据えたチーム再建が少しずつ進んでいるようだ。力の差は紙一重だった。しかし、望月監督の「1失点目も2失点目も、もっと相手に寄せ切らないとGKと協力して守ることができない」との指摘が象徴するように、球際やボールへの執着心、ひいては勝利への欲望には差があったかもしれない。負けられないシチュエーションで接戦を重ねながらカターレはたくましさを増している。シーズンの最終盤まで昇格を争うことの価値を改めて感じさせる。MF椎名伸志は試合後、「目の前の試合に全力を注ぐことしか考えておらず、昇格できるかどうかというところまで考えが及んでいない。勝ち続けてシーズンを終えられたらよいし、昇格はその結果としてついてくるものだと思う」と話した。
長いリーグ戦がハイライトを迎えようとしている。結末は分からない。残り3試合を存分に満喫しよう。
◇J3上位の第32節以降の対戦(赤字は直接対決)
1秋田71 鳥相 鹿 +40
2長野55 G岐 岩 +20
3相模54 沼秋 今 +6
4岐阜52 八長 G +11
5富山50 熊今 沼 +13
6鳥取50 秋福 熊 +8
7今治49 岩富 相 +9
8鹿児49 YG 秋 +6
9熊本48 富讃 鳥 +6
10藤枝43 福八 Y +1
※第31~33節は3連戦
(第31節終了時。順位、クラブ名、勝点、今後の対戦順、得失点差)
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