第30節 富山×C大23 マッチレポート■「俺たちはあきらめない」
- 2020/11/30
- 13:16
【第30節 富山2―1C大阪U-23 ▽得点者:後半41分・松本(C)、同45+3分・武、同45+6分・武(以上富)】※ハイライト映像(J公式サイト)
選手たちの執念がドラマを生んだ。引き分けでも昇格の望みがしぼむ状況で先に失点したのが86分。アディショナルタイムが5分と掲示されてから2点を奪ってひっくり返した。ペナルティーアークから放たれたFW武颯のグラウンダーのシュートがゴール左隅に弾み、スタジアムを歓喜が包んだ。公式記録に記された決勝点の時間は90+6分。ラストプレーだった。DAZNの中継では喜び合う選手の姿に「あきらめないカターレ富山。まだまだ昇格の夢をみることができます」と実況の牧内直哉さんが言葉を添えた。忘れえぬ一瞬一瞬を刻みながら戦いが続く。
前節は優勝した秋田に初黒星を付けたカターレが、今節は最下位のC大阪U-23に追い詰められた。実力が拮抗する今季のJ3を象徴するような厳しい戦いだった。特に前半は攻守にわたり圧倒された。ヤングセレッソの前線からの果敢かつ連動したプレスに苦しみ、相手陣に攻め入ることがなかなかできない。ビルドアップの途中でボールを奪われてショートカウンターからゴールに迫られる場面が何度もあった。J1でプレー経験のある喜田陽と秋山大地のボランチコンビや長くU-23を引っ張ってきたDF西本雅崇を中心とするパスワークも巧みで、守りでも寄せ切れない状況が長く続いた。
後半はシンプルに裏を狙う攻めを増やし、前線のパワーとスピードを生かしてチャンスをつくるようになった。同14分にはMF椎名伸志とMF宮城天を投入してパスワークのテンポを上げて主導権を握りにかかったが相手も粘り強く対応してスコアレスのまま時間が進んだ。
1点勝負の緊迫感が生じ始めた同27分、C大阪U-23にGKのパントキックで裏を狙われ、こぼれ球からFW藤尾翔太に際どいミドルシュートを打たれる。同35分過ぎからはMF島村拓弥のドルブルによる仕掛けを軸に相手に流れが傾き、同41分に先制点を奪われた。浮き球のパスを藤尾が頭で落とし、MF吉田有志からMF松本凪生にパスが渡ってゴール中央で3対3に。松本は急いで戻って余裕のないカターレ守備陣の動きを見切ったかのようにシュートコースを見つけてゴール左隅に決めた。
逆転昇格へ勝点3が必要なカターレは残り時間が少なくなった終盤で逆にリードを許して窮地に陥った。ただ、安達亮監督は「攻撃のリズムはつかめていたので時間さえあれば点は取れる。失点はしたが、それを継続してくれたらと思っていた」。後半29分からピッチに入った武も「失点して『時間がないな』とは思ったが、『シュートを打てるチャンスさえつくれたらなら決められる』という感覚はあった」と言う。慌てたり、気落ちしたりせずにゴールを目指して逆転につなげた。
2得点はいずれもカウンターアタックから。アディショナルタイム3分、相手ゴールキックのこぼれ球を素早く縦につなぎ、MF花井聖のスルーパスで右サイドから抜けた武がファーポストにグラウンダーで流し込んで同点。決勝点は、勝ち越しを目指したC大阪U-23から自陣左でボールを奪って宮城がドリブルで運び、横パスをもらった武がDF陣の手前から決め切った。
武によると、2点ともイメージしていた通りに事が運んだという。「すぐに1点取り返せたので2点目も取れるなと感じていた。それを決めたのがたまたま自分だった。1試合1試合勝っていかないと可能性は消えてしまう。まずは次の試合に全員で良い準備して勝つ。そう意識してやることが大事だと思う」と話した。
◇J3上位の第31節以降の対戦(赤字は直接対決)
※第31~33節は3連戦
1秋田71 今鳥相 鹿 +42
2相模53 八沼秋 今 +6
3長野52 YG岐 岩 +18
4岐阜52 鳥八長 G +13
5富山47 讃熊今 沼 +11
6鳥取47 岐秋福 熊 +6
7熊本47 岩富讃 鳥 +6
8今治46 秋岩富 相 +7
9鹿児46 福YG 秋 +5
10藤枝43 C福八 Y +2
(第30節終了時。順位、クラブ名、勝点、今後の対戦順、得失点差)
選手たちの執念がドラマを生んだ。引き分けでも昇格の望みがしぼむ状況で先に失点したのが86分。アディショナルタイムが5分と掲示されてから2点を奪ってひっくり返した。ペナルティーアークから放たれたFW武颯のグラウンダーのシュートがゴール左隅に弾み、スタジアムを歓喜が包んだ。公式記録に記された決勝点の時間は90+6分。ラストプレーだった。DAZNの中継では喜び合う選手の姿に「あきらめないカターレ富山。まだまだ昇格の夢をみることができます」と実況の牧内直哉さんが言葉を添えた。忘れえぬ一瞬一瞬を刻みながら戦いが続く。
前節は優勝した秋田に初黒星を付けたカターレが、今節は最下位のC大阪U-23に追い詰められた。実力が拮抗する今季のJ3を象徴するような厳しい戦いだった。特に前半は攻守にわたり圧倒された。ヤングセレッソの前線からの果敢かつ連動したプレスに苦しみ、相手陣に攻め入ることがなかなかできない。ビルドアップの途中でボールを奪われてショートカウンターからゴールに迫られる場面が何度もあった。J1でプレー経験のある喜田陽と秋山大地のボランチコンビや長くU-23を引っ張ってきたDF西本雅崇を中心とするパスワークも巧みで、守りでも寄せ切れない状況が長く続いた。
後半はシンプルに裏を狙う攻めを増やし、前線のパワーとスピードを生かしてチャンスをつくるようになった。同14分にはMF椎名伸志とMF宮城天を投入してパスワークのテンポを上げて主導権を握りにかかったが相手も粘り強く対応してスコアレスのまま時間が進んだ。
1点勝負の緊迫感が生じ始めた同27分、C大阪U-23にGKのパントキックで裏を狙われ、こぼれ球からFW藤尾翔太に際どいミドルシュートを打たれる。同35分過ぎからはMF島村拓弥のドルブルによる仕掛けを軸に相手に流れが傾き、同41分に先制点を奪われた。浮き球のパスを藤尾が頭で落とし、MF吉田有志からMF松本凪生にパスが渡ってゴール中央で3対3に。松本は急いで戻って余裕のないカターレ守備陣の動きを見切ったかのようにシュートコースを見つけてゴール左隅に決めた。
逆転昇格へ勝点3が必要なカターレは残り時間が少なくなった終盤で逆にリードを許して窮地に陥った。ただ、安達亮監督は「攻撃のリズムはつかめていたので時間さえあれば点は取れる。失点はしたが、それを継続してくれたらと思っていた」。後半29分からピッチに入った武も「失点して『時間がないな』とは思ったが、『シュートを打てるチャンスさえつくれたらなら決められる』という感覚はあった」と言う。慌てたり、気落ちしたりせずにゴールを目指して逆転につなげた。
2得点はいずれもカウンターアタックから。アディショナルタイム3分、相手ゴールキックのこぼれ球を素早く縦につなぎ、MF花井聖のスルーパスで右サイドから抜けた武がファーポストにグラウンダーで流し込んで同点。決勝点は、勝ち越しを目指したC大阪U-23から自陣左でボールを奪って宮城がドリブルで運び、横パスをもらった武がDF陣の手前から決め切った。
武によると、2点ともイメージしていた通りに事が運んだという。「すぐに1点取り返せたので2点目も取れるなと感じていた。それを決めたのがたまたま自分だった。1試合1試合勝っていかないと可能性は消えてしまう。まずは次の試合に全員で良い準備して勝つ。そう意識してやることが大事だと思う」と話した。
◇J3上位の第31節以降の対戦(赤字は直接対決)
※第31~33節は3連戦
1秋田71 今鳥相 鹿 +42
2相模53 八沼秋 今 +6
3長野52 YG岐 岩 +18
4岐阜52 鳥八長 G +13
5富山47 讃熊今 沼 +11
6鳥取47 岐秋福 熊 +6
7熊本47 岩富讃 鳥 +6
8今治46 秋岩富 相 +7
9鹿児46 福YG 秋 +5
10藤枝43 C福八 Y +2
(第30節終了時。順位、クラブ名、勝点、今後の対戦順、得失点差)
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