第18節 富山×山口 マッチレポート■激動の90分。大一番で弱さ露呈
- 2015/06/29
- 12:01
【第18節 富山2―5山口 ▽得点者:前半10分・中西(富)、同17分・三上(富)、同25分・福満(山)、同41分・島屋(山)、同44分・岸田(山)、後半5分・岸田(山)、同62分・鳥養(山)】
相手に自ら点を与えるようなミスで勝機を逃した。しかし、試合の全体像をみれば力負けを認めるべきだ。「(2点リードしても)あのように早い時間に1点を返されてしまうと、その後のミスからの失点がなくても逆転されていただろう。(振り返ってみて)1失点目が一番のポイントだった」。岸野靖之監督は言葉を探しながら見解を語った。
カターレの先制攻撃は鮮やかだった。前半10分、最初のチャンスをものにしてFW中西倫也が先制点を挙げた。GKからのフィードを自ら競り、こぼれ球を収めたJ初先発のMF山本祥輝からのラストパスを落ち着いて流し込んだ。チームは勢いづき、高い位置からのプレスで次々とボールを奪って好機をつくった。15分にはインターセプトからFW苔口卓也、山本とつなぎ決定機を創出。押せ押せムードのまま17分にCKのこぼれ球を右からMF三上陽輔がミドルシュートで叩き込みリードを2点に広げた。三上は移籍後初得点。
山口は「2点目を取られてから運動量が上がった。よい意味でエンジンがかかった」(FW岸田和人)。パスがつながり出して富山陣に攻め入り、ゴール前では3人目を使う連係で崩しにかかった。25分に右からのFKにファーサイドの福満隆貴が頭で合わせて1点を返す。その後もボールを保持しながら同点を目指した。
勝負の分かれ目となったミスは前半41分に起こった。GK江角浩司が少しでも時計を進めようとしたのだろう、相手のミスパスの捕球を遅らせたところで処理を誤り、MF島屋八徳にボールを奪われ同点弾を決められた。雨で濡れたピッチ状態を考えればプレーの選択自体も責められるべきものかもしれない。しかし、江角はその前から時間かけるプレーを行っていた。相手に傾いた試合の流れを感じとり、リードしてハーフタイムを迎えるために自分のやるべきことを考えたに違いない。江角は直後の44分、DFの裏を狙ったロングフィードに中途半端に飛び出してしまい逆転ゴールも許してしまった。
江角はカターレが発足する以前からJ1でキャリアを重ねてきた。重圧のかかったゲーム、圧力のある対戦相手という伏線なしには起こらなかったミスだろう。ハーフタイムを挟み、選手たちは「エズさんにはこれまで助けられてきた。今後は自分たちが助ける番だ」と後半に入ったが、同点ゴールは生まれず逆に4、5点目を失って果たせなかった。
後半は両チームの差がはっきりとでてしまった。余裕のできた山口は守備意識を高めて攻守のバランスを調整。前掛かりになった相手からカウンターアタックで2点を追加して勝負を決めた。同5分の4点目を決めた岸田のシュートと福満のラストパス、同17分のMF鳥養祐矢の5点目を生んだMF小塚和季のミドルパスは精度が高かった。一方のカターレは相手陣には入るが守備ブロックをつくられると攻めあぐんだ。後半のシュートは4本。同43分にCKにDF平出涼が頭から飛び込んだのが唯一ゴールに迫ったシーンだった。1試合5失点はクラブワーストタイで2011年第17節の東京V戦(●1-5)以来5度目。
今回の来場者は1,958人。2009年からのホームゲーム135試合で2,000人を切ったのは12年第5節の北九州戦(1,692人/●2-3)以来で5度目。しかし、数字の少なさよりも、冷たい雨の中にもかかわらず1,958人がスタジアムに足を運んだ事実に目を向けたい。そのほとんどの人が最後まで席を立たなかった。この一戦のために気持ちを奮い立たせてきた選手たちの傷は浅くはないだろう。だが、次の試合は待ってくれない。信頼にこたえるために再び立ち上がってほしい。
相手に自ら点を与えるようなミスで勝機を逃した。しかし、試合の全体像をみれば力負けを認めるべきだ。「(2点リードしても)あのように早い時間に1点を返されてしまうと、その後のミスからの失点がなくても逆転されていただろう。(振り返ってみて)1失点目が一番のポイントだった」。岸野靖之監督は言葉を探しながら見解を語った。
カターレの先制攻撃は鮮やかだった。前半10分、最初のチャンスをものにしてFW中西倫也が先制点を挙げた。GKからのフィードを自ら競り、こぼれ球を収めたJ初先発のMF山本祥輝からのラストパスを落ち着いて流し込んだ。チームは勢いづき、高い位置からのプレスで次々とボールを奪って好機をつくった。15分にはインターセプトからFW苔口卓也、山本とつなぎ決定機を創出。押せ押せムードのまま17分にCKのこぼれ球を右からMF三上陽輔がミドルシュートで叩き込みリードを2点に広げた。三上は移籍後初得点。
山口は「2点目を取られてから運動量が上がった。よい意味でエンジンがかかった」(FW岸田和人)。パスがつながり出して富山陣に攻め入り、ゴール前では3人目を使う連係で崩しにかかった。25分に右からのFKにファーサイドの福満隆貴が頭で合わせて1点を返す。その後もボールを保持しながら同点を目指した。
勝負の分かれ目となったミスは前半41分に起こった。GK江角浩司が少しでも時計を進めようとしたのだろう、相手のミスパスの捕球を遅らせたところで処理を誤り、MF島屋八徳にボールを奪われ同点弾を決められた。雨で濡れたピッチ状態を考えればプレーの選択自体も責められるべきものかもしれない。しかし、江角はその前から時間かけるプレーを行っていた。相手に傾いた試合の流れを感じとり、リードしてハーフタイムを迎えるために自分のやるべきことを考えたに違いない。江角は直後の44分、DFの裏を狙ったロングフィードに中途半端に飛び出してしまい逆転ゴールも許してしまった。
江角はカターレが発足する以前からJ1でキャリアを重ねてきた。重圧のかかったゲーム、圧力のある対戦相手という伏線なしには起こらなかったミスだろう。ハーフタイムを挟み、選手たちは「エズさんにはこれまで助けられてきた。今後は自分たちが助ける番だ」と後半に入ったが、同点ゴールは生まれず逆に4、5点目を失って果たせなかった。
後半は両チームの差がはっきりとでてしまった。余裕のできた山口は守備意識を高めて攻守のバランスを調整。前掛かりになった相手からカウンターアタックで2点を追加して勝負を決めた。同5分の4点目を決めた岸田のシュートと福満のラストパス、同17分のMF鳥養祐矢の5点目を生んだMF小塚和季のミドルパスは精度が高かった。一方のカターレは相手陣には入るが守備ブロックをつくられると攻めあぐんだ。後半のシュートは4本。同43分にCKにDF平出涼が頭から飛び込んだのが唯一ゴールに迫ったシーンだった。1試合5失点はクラブワーストタイで2011年第17節の東京V戦(●1-5)以来5度目。
今回の来場者は1,958人。2009年からのホームゲーム135試合で2,000人を切ったのは12年第5節の北九州戦(1,692人/●2-3)以来で5度目。しかし、数字の少なさよりも、冷たい雨の中にもかかわらず1,958人がスタジアムに足を運んだ事実に目を向けたい。そのほとんどの人が最後まで席を立たなかった。この一戦のために気持ちを奮い立たせてきた選手たちの傷は浅くはないだろう。だが、次の試合は待ってくれない。信頼にこたえるために再び立ち上がってほしい。
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- テーマ:Jリーグ
- ジャンル:スポーツ
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